表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
315/424

第264話 大学院ダンジョン

 この人……昔からイカれてる人だとは思ったけど、まさかこんな陰謀論にハマるなんて、どうかしてる。


「あのねぇ……それ以上意味不明なこと言ったみなよ……」

「言ったらなんです?」

「私は……あんたを……」


 目の前の陰謀論者に宣戦布告をしようとしたその時……突然、足元に巨大な魔法陣が現れた。

 魔法陣は、大学院全体を覆っているようだった。


「な、なんです!?」

「これは……ダンジョン!?」


 魔法陣から光が放たれ……目の前が白に染まった。



「う……ここは?」


 光りが治まり、辺りを見渡すと、そこは墓場だった。

 墓場と言っても、その墓標は西洋のような、丸みを帯びたもので、よくわからない文字が書かれ、キリスト教みたいなの十字が描かれていた。

 空を見上げると巨大な赤き月が辺りを照らし、墓標を血のように染め上げていた。


「なんか……不気味だ」


 ホラー映画みたいな場所だな、これは……。


「な、なんですの!? ここはどこ!?」


 あぁ、そういえば……こいつも一緒だった。


「落ち着いて、騒がないで」

「貴方は何で落ち着いているんですの!?」

「うるさい、早く行くよ」


 私は隣にいる女の言葉を流し、腕輪の変身アプリを起動させた。


「……転生」

『転生! 天下御免の探索者! ヒューマンシーカー!!』


 カードを翳し、私は赤き鎧武者へと変身した。

 空が赤いせいか、私の姿は尚の事赤く見えている事だろう。


「あ、貴方……瑠璃なのですか?」

「そうですよ、さぁ行くよ」

「ど、どちらへ?」

「安全地帯、癪に障るけど送ってあげる」


 私は憎たらしい母の手を掴み、案内しようとした……が。


「い、嫌ですわ! ここは助けが来るまで待ちましょう!」

「はぁ?」

「いずれ消防や自衛隊が助けに来ますわ! 自衛隊はこういう時に仕事をするものです!」

「あっそ、じゃあ私は行くから」


 私は1人で先へと進もうとした……が、またも母が制止した。


「どこへ行くのですか!?」

「ダンジョン……この不気味な空間を消しに行くの」

「行けません! 貴方も待ちなさい!」

「……」


 こいつはいつもこんな感じだ、自分の言う事が絶対……もううんざりだ。

 言い返そうとした……その時。


「……ひぃ!? な、なんですの!?」


 突然、墓標が倒れ、地表から『ローブを着た骸骨』が現れた。

 骸骨は片手に巨大な鎌を装備していて、その姿はまるで死神のようだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ