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第254話 占い好きの自己紹介

「ほら、ミドミド! みんなに向かって挨拶してみて!」

「え、えええええええ、えっと……や、八木山慧でしゅ!! よ、よよよよよよ、よろしくお願いしましゅ!!」

「ふふふ、よろしくね、慧ちゃん、私は琥珀、この駄菓子屋の店主だよ」


 琥珀は笑顔で慧を迎え入れた。


「おいおい、いちいちボソボソと何言ってんだ?」

「よく……聞こえない……」

「ひ、ひぃ!? ち、ちっちゃいおじさん!? それと、ま、ままままままま、まさか、きゅ、吸血鬼!?」

「ちっちゃいおじさんじゃねぇよ! ワシはゴルドってんだ」

「うん……私……吸血鬼……キセノン……よろしく……」


 ゴルドとキセノンは自己紹介をするも、慧はリンの後ろに隠れてしまった。

 リンは慧と目を合わせ、頭を撫でた。


「ま、また占いが当たった……駄菓子屋で……知らない人と3人も会う……怖いよぉ……」

「大丈夫大丈夫、別にバリ怖い人じゃないから」

「そ、そそそそそそそそ、そうですか!? だ、だだだだだだだ、だって、か、かかかかかかか、片方の人、きゅ、吸血鬼……ですよね?」


 慧は、自身の血を吸われる恐怖心から、キセノンから遠ざかろうとしていた。

 慧の言葉を聞いた碧は、慰めるように肩を撫でた。


「大丈夫、ノン姉ちゃんは怖い人じゃないよ!」

「そうそう! アオアオの言う通り! 別に血は吸わないよ、だからほら」


 碧とリンに背中を押され、慧はキセノンに近づいた。

 キセノンは、怯える慧に向かって、笑顔で手を差しのべた。


「よろしく……慧ちゃん……」

「よ、よよよよよよよよ、よろしくお願いします!!」

「うん……」


 慧は恐怖心を感じつつも、キセノンの手をガッチリと掴み、悪手をした。


「ほらね? 怖い人じゃないでしょ? みどちゃん、ノン姉ちゃんは優しいし、それにとっても強いんだよ!」

「褒められると……照れる」


 キセノンは碧の言葉に恥ずかしさを覚え、顔を赤くした。


「う、うん……碧ちゃんの言う通り、怖い人じゃない……手はちょっと冷たいけど……」

「私……冷たい?」

「い、いいいいいいい、いや! これは侮辱したわけじゃなくて! え、えーっと……申し訳ございません!!」

「なんで……謝るの? 別に……人間と……体温……違う……当たり前」


 慧は何度も頭を下げ謝罪をするも、キセノンはその姿に困惑してしまった。


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