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第251話 営業再開日

 その日の昼。

 いかいやは営業再開を大々的に伝え、それを聞きつけた子どもたちが、続々と入店してきた。


「おばちゃん、これ!」

「わたしもー!!」

「ほらほら、順番通り並んで」


 子どもたちの列が形成され、駄菓子が飛ぶように売れて行った。

 そして、子どもたちの関心は、駄菓子だけではなかった


「お姉ちゃん誰?」

「私はリン! よろしくね!」

「耳ながーい!! 触らせて!!」

「ふふふ、いいよ」


 リンの下に子どもたちが集まり、自身の耳を触らせていた。

 リンは子どもたちをまるで久々に会った友人のように接するが……。


「このお姉ちゃん……背が高い」

「す、すごい……」

「ちょ、ちょお……そんなジロジロ見んといて……」


 ラピスは子どもたちの注目を受け、恥ずかしさの余り、顔が真っ赤になっていた。


「このおじちゃん、すごくちっちゃい!」

「ほんと! あたしとかわらない!!」

「お、おい! ワシの頭を押すな!! これ以上縮まねぇよ!!」


 子どもたちと同じ背丈であるゴルドは早速からかわれていた。


「すごい……かっこいい」

「これ、本当に羽?」

「うん……こんな感じ……生えてるよ」

「「おおー!!」」


 キセノンは自身の羽を動かし、子どもたちにアピールしていた。

 子どもたちは、以前までいなかった異世界の民に興味津々だった。

 すると、子どもたちの中の一人が琥珀に疑問を投げた。


「ねぇ、おばちゃん……いつものお姉ちゃんは? 紙芝居聞きたい……」

「あーごめんね、あのお姉ちゃん、今世界を旅している最中だから……」

「そうなんだ……」


 質問を投げた子どもは、悲しい表情を浮かべた。

 そんな表情を見たリンは子どもと目線を合わせ、話し掛けた。


「そのお姉ちゃんのお話、バリ面白い?」

「うん! とっても面白いよ! ……そういえば、お姉ちゃんたち、誰?」

「アタシたちはねー……『違う世界から来た』……その面白いお姉ちゃんの友達!」

「えぇ!? そうだったの!?」

「そうだよ!」


 子どもたちは、リンの言葉に驚愕し、お互いに顔を合わせた。

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