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第235話 死神

「へぇー、占いができるなんてバリ凄いね! アタシはリン! よろしくね! ミドミド!」

「ウチはラピス、よろしゅうな、慧はん」

「よ、よよよよよ、よろしくお願いしましゅ!!」


 慧ちゃんは、緊張しつつ、何度も頭を下げた。


「ちょっとみどりちゃーん、そんなに下げたら頭取れちゃうよ?」

「翡翠ちゃん! そ、その例えは怖すぎるよ~」

「えへへ、ごめんごめん」


 なんだろう、慧ちゃん、翡翠ちゃんや碧ちゃんの前だと緊張していない様子だな。


「ねぇミドミド! アタシ、ミドミドの占い見てみたいな!」

「わ、わわわわ、私の占い!? で、ででででで、でも、悪い結果が出たらどうしよう……」

「アタシは気にしないからさ! 見せて!」

「う、うーん……じゃあ、外れても大丈夫なやつ……」


 すると、慧ちゃんは、持っていたリュックからカードを取り出した。

 これは……タロットカードか。


「じゃ、じゃあ……何を占って欲しい……ですか?」

「うーん、そうだなぁ……じゃあ、これからのアタシたちについて!」


 ず、随分漠然とした内容だな……。

 これからの私たちか……どんな結果なのか、確かに気になるかも。

 慧ちゃんは内容を聞くと、カードをシャッフルし始め……3枚のカードを取り出した。


「と、とりあえず、これが現在のカード、こここここ、これが未来のカードで……これが未来の補足のカード」

「へぇー、なんか綺麗な見た目のカードだね」

「せ、せやけど、未来のカード……なんか不気味やで」


 現在のカード……そこには明るい輪っかが描かれ、下の方に「Wheel of Fortune」と書かれていて、未来のカードにはローブを身に纏った骸骨が描かれ、下の方に「Death」と書かれていて、補足のカードは他の二つと比べ逆さまに置かれていて、豚の頭の人間が描かれ、下の方には「The Devil」と書かれていた。

 確かに、未来のカード……不気味だ。


「え、えーっと……説明すると……まず現在のカード……運命の輪で、これは最高に幸福な状態を意味する……」

「最高に幸福……それって」

「アタシたちとルリルリとの出会い!?」

「間違いあらへん! それやな!」


 確かに、それか最高に幸福な出来事だ。

 みんなと出会う事が出来て、私の仮説が証明された。


「そして未来のカード……これは死神」

「し、死神……」

「こ、このカードは……『突然の終わり』を意味する」

「「「……」」」


 突然の終わり。

 その言葉を聞き、嬉々としていた私たち3人は、黙り込んでしまった。

 気まずくなり、碧ちゃんと翡翠ちゃんも、暗い表情になっていった。

 その雰囲気に焦ったのか、慧ちゃんは大慌てで弁明した。


「い、いいいいいい、いや! 別に悪い意味って決まったわけじゃないよ!! こ、こここここ、このカードは確かにと、ととととと、突然の終わりって意味だけどそれはそういう意味だけじゃなくて、あわわわわわ……」


 慧ちゃんはかなり焦った様子で、今にも泣きそうになっていた。

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