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閑話 サンルートの歴史

 約数千年前、地球で言う「日本列島」と呼ばれる場所、「サンルート列島」に数百を超える民族が誕生した。

 サンルート人誕生神話によると、弱肉強食で、野蛮な生活を送っていた動物たちを見て、神が「これでは彼らが可哀そうである」と考え、動物たちに知能を与えたことが始まりであるとされている。


 猿から進化した「人間族」、猫から進化した「猫獣人族」、犬から進化した「犬獣人族」、兎から進化した「兎獣人族」等……。

 彼らはそのまま進化を続け、人間族から派生して「小人族」……通称「ドワーフ族」が生まれ、牛獣人族から派生して「妖人族」……通称「サキュバス、インキュバス族」が生まれた。


 知能を与られたことで、彼らは二足歩行を行うようになり、道具を作り、言語を作った。

 お互いを尊重し合い、一見すると成功を収めているようだった。

 ……だが、弊害も生まれてしまった。

 

 知能を与られたことで、彼らは「民族主義」を唱えるようになった。

 どの民族が一番偉いか争いを始めるようになり、サンルート全域で大戦争が起こった。

 これを「サンルート民族戦争」と呼び、それは数百年に及んだとされる。


 しかし、そんな彼らに団結せざるを得ない状況が起きた……「外国からの侵略」である。


 遥か海の底の国……「海底帝国ラブカルド」がサンルートに奇襲攻撃を仕掛け、一部が占領されてしまったのである。

 ラブカルドはサンルートだけではなく、他の国の土地も占領し、統一国家を作ろうとしていた。


 サンルートに住む数多の民族の長たちは「このままではまずい」「今は争っている場合ではない」と考え、サンルートの中心地に集まり、団結することで意見が一致した。

 やがて、民族間で団結し、ラブカルドを追い出すという名目で共同戦線が誕生した。

 これを「サンルート民族協和宣言」と言われる。


 民族の長たちが指揮官となり、海底帝国ラブカルドは海の底へと消えていった。

 サンルートの長たちは「これは、全ての民族がこの土地を守るために戦い、勝ち取ったものである」とし、これを境に民族間の争いは消え、お互いを「サンルート人」と呼び合った。


 長たちは、「これから民族間の戦争を起こさせないためにも、サンルートの象徴が必要」と考え、特殊な魔術を使い、「全てのサンルートの民族の長の血を引き継いだ赤ん坊」……サンルート王を作った。

 以後しばらくは長たちが国王代行を務め、十数年後、赤ん坊が成長し、改めて国王に就任した。

 初代サンルート王……「トパーズ・サンルート1世」により、百を超える民族が、お互いに「讃え合い」、民族の心を「留め」、「都」を形成する人々が住む列島王国……「讃留都サンルート王国」の建国を宣言し、国民たちはその宣言に歓喜した。


 以後、「日本に統合される」までの数千年間……内戦が起こることも無く、存在し続けた。

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