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第212話 クレーム

「……とまぁ、そういうわけさ! いやはや、君の言葉は大変参考になったんだよ! どうもありがとう!」

「言葉?」

「あぁ! 君の言葉を余の配下……じゃない、今は部下か……部下に言ったところ、作業効率が上がってねぇ!」

「あの、話が見えてこないんですけど……」


 配下? 部下? 私の言葉? 一体何の話をしているんだろう?


「あの、陛下……」

「うわぁ!? びっくりした……」


 困惑する中、突然、陛下の後ろから、金髪の白人の女の子が出てきた。

 ……どこにいたのこの子!?


「おいおい『ジルコ』、ここでは『陛下』じゃなくて、『店長』と呼べと言っているであろう?」

「あぁ、すみません……店長、お客様からお電話で……まぁ所謂クレームが来ています、処理お願いします」

「はいはい、すまないがちょっと待っていてくれたまえ、すぐに終わるから」


 そう言って、陛下は女の子と一緒に店の中へと入っていった。

 て、店長? 店長ってどういう事?

 それにあの女の子……多分サンルートの子だよね? 白人っぽい見た目なのに日本語ペラペラだったし。


「ねぇルリルリ、ずっと思うんだけど……なんでこのお店、サンルートの人しか働いていないんだろう?」

「確かに、それは私も思った」


 あの女の子も店の中のサンルート人と同じようにスーパーの制服を着ていたし、名札もつけていた……。


「このスーパー……一体どうなっているんだろう?」


 私とリンは、店長が戻ってくるまで、待ち続けた。



「まだかなー」

「クレーム対応に時間掛かってるみたいだね」


 あれから10分くらい経っているが、まだ陛下は戻ってこない。

 さっきクレームがどうのこうのって女の子が言っていたけど……これは電話の向こうの人、かなりキレてるね。


「くれーむたいおう……って具体的に何するの?」

「あー、まぁ簡単に言えば、自分の扱いに納得できなくて文句を言う人を宥めることだよ」

「うーん……大体分かったかも! つまりイチャモンつけてきた人を鎮めるんだね!」

「う、うん、まぁそうかな?」


 やはり人間、自分の扱いが不当だと感じたら不満の一つや二つは出てくる。

 それが限界まで近づくとクレームをつけたくなるものだ。

 現に私も……。


「……」


 やばい、今日の私、なんか変だ。

 疲れてるのかな? 大学院の研究に、ダンジョン探索……一回休んだ方がいいかも……。


「お待たせ!」

「う、うわぁ!? い、いつのまに!?」


 考え事をしていると、突然目の前に先程消えた陛下と女の子が現れた。

 ……本当に、突然現れた。

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