表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
253/424

第204話 異世界人が病気になったら

「ふぅー……バリすっきりする~……」

「ほんまやな……」

「ふふ……みんなで……お風呂……楽しい」

「うふふ、キセノン、体洗うの上手かったよ」


 体をキセノンが洗ってくれて、私たちは湯船の中に入る……例によって、4人で寄り添いながら。

 もう何回もやって慣れてきてしまっている自分が怖い……。


「……ほんと、叔母さん病院で貰っちゃったのかな」

「かもしれへんな、すぐ治るとええんやけど……」

「ハクハク、元気になるといいなぁ」


 ラピスとリンは、心配そうな顔を浮かべている……確かに私も心配だ。


「琥珀ちゃん……人間の中だと……高齢……だから……抵抗力……落ちてる……かも」

「せやろな、なにか体が温まるもん食べてもろて、体の芯まで温めてもらわんとな」

「だね! 病気の時は温まるのがバリ一番だよね!」


 ……病気、そういえば気になることがある。


「そういえば、みんなは大きな病気にかかった時、元の世界ではどんな風にしてた?」

「うーん……とりえあず寝てた!」

「そりゃそうでしょ……」


 リンの故郷では「とりあえず寝る」というのが主流なのだろうか?

 でもまぁ……リンの故郷の事情を考えると、それが普通なのか?


「ウチの実家やと……『魚の精巣と大根をすり潰して混ぜたもの』を飲ませると治るってやつがあったわ」

「うぇ……」


 魚の精巣……要は白子と大根を混ぜたもの……想像するだけで気分が悪い。

 お鍋の食材をそのまま飲むって……。


「まぁ瑠璃はんもそんな反応するやろな……それが正常やで」

「やっぱり……不味い?」

「そらもう! せやからウチは病気にならんよう頑張ったわ!」


 ……もしかすると、サキュバスやインキュバスの間では、「病気になるとそういうのを摂取する羽目になる」ということを子どもたちに教えるために、そういうことをしているのだろうか?

 だとしたら、あんまりいい効果を持たないと思うけど……まぁ、人の習慣にケチをつけるわけにもいかないか。


「それで、キセノンは?」

「うーん……私たち吸血鬼は……独自の……薬……作って……飲む」

「なるほどね……」


 確かに、現実の中国や台湾でも、独自の医学というのは紀元前から発達していた。

 吸血鬼も、恐らくかなり昔から医学は発展していたのだろう……。


「それで? ルリルリは病気になったらどうしてた?」

「わ、私?」


 リンに振られた質問……私はぱっと答えられなかった。

 私が……病気になった時……。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ