第203話 琥珀の病気
「ごちそうさま、キセノン」
「おそまつ……さま……食器……運ぶ……」
「ありがとう」
キセノンは全員分の食器を抱え、流しに持って行った。
ば、バランス崩さないよね? 多分大丈夫だと思うけど……。
「あ、ありがとうねぇ……キセノンちゃん……ゴホゴホ……」
「琥珀さん、大丈夫ですか?」
キセノンの心配していた私だったが、ゴルドは叔母さんの心配をしていた。
……確かに、叔母さん、なんか顔色が悪いように見える。
「あぁ、ちょっと……熱っぽいかな? 体が……なんか……フラフラするよ」
リンとラピスも心配したのか、叔母さんに寄り添った。
リンは叔母さんのおでこに手を合わせ、ラピスは脈を図っているのか、叔母さんの腕を掴んだ。
「うーん、確かに熱っぽいかも」
「そ、そうかい……」
叔母さん、もしかして、病院で貰っちゃった?
「こ、琥珀さん! だ、だだだだだ、大丈夫ですか!?」
「ご、ゴルド……」
「ど、どうしよう!? な、何が原因だ!? い、一体どうすれば……」
ゴルドは見るからに慌てていた。
ちょっとオーバーじゃないかな? 慌てる気持ちは分かるけどさ。
「と、とりあえず部屋に運ばなきゃ……あぁ、でもその前に冷やしたタオルを……喉乾いたらどうしようか……えぇーっと……」
「ゴルドはん、落ち着けや!」
「ラピラピの言う通りだよゴル爺! 別に死ぬわけじゃ……」
「し、死ぬぅ!? こここここここ、琥珀さんが、し、しししししし……」
「だから落ち着けや!!」
ラピスとリンが必死にゴルドを宥めようとするも、帰ってゴルドは慌ててしまった。
と、とりあえず叔母さんを部屋まで誘導しなきゃね……。
私は叔母さんを抱え、部屋まで送ってあげた。
☆
「よし、これで大丈夫だね」
叔母さんを部屋まで運び、寝かせた。
ゴルドはあの後も、「ワシが琥珀さんを付き添う!!」と言い続けていたが、今のパニック状態なゴルドがあの場にいると叔母さんが目を覚ますかもしれないと考え、とりあえず寝るように言ったが……説得するのに一苦労だった。
リンの「そんなバリかっこ悪いところをハクハクに見られたら嫌われるよ?」という一言で、ゴルドは冷静さを取り戻し、部屋に戻ってくれた。
「ゴル爺バリ必死だったね」
「まぁ好きな人があんなんやったら焦るもんや」
「うん……私も……みんな……病気になったら……不安」
私たちはお風呂に向かいながら、先程の事を振り返った。
確かに、私もみんなが病気になったら不安にはなる……けど、ゴルドのアレはちょっとねぇ。
「ま、とりあえずお風呂入ろうよ! はい、ルリルリばんざーい!!」
「ひ、1人で脱げるから!」
浴室について間もなく、リンは私の上の服に手を掛けた……流石にそれは恥ずかしい。
「今日もバリ疲れたねー」
「せやなぁ、疲れをさっぱり流そうや」
「うん……今日は……みんなの……体……洗って……あげる」
「さぁほら、入るよ、みんな」
準備を整え、私たちは浴室の中へと入った。




