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第202話 料理のお味

「わぁー……ノンノンの手料理、バリ美味しそう!」


 手を洗い終え、食卓へ向かうと、美味しそうな中華料理……もとい、モーファサ料理が広がっていた。

 大皿が数枚、その上に回鍋肉、麻婆豆腐、カニタマ、そして主食にはあんかけチャーハンと、一見すると、中華料理店で頼むフルコースのようだった。

 豪勢な料理を前に、私たちは席に着き、手を合わせた。


「今日も……犠牲になった……生物たち……犠牲のために……関わった人……全てに感謝します……そして……犠牲になった……イノシシちゃん……命を……最大限に……使います……いただきます」

「「「「「いただきます!!」」」」」


 キセノンの祈りの言葉に合わせ、私たちは食事を始めた。

 まずいただいたのは回鍋肉……お味は……。


「……美味しい」


 口に入れたその瞬間、甘辛い味が口いっぱいに広がり、炒められたとは思えない柔らかい肉と、タレが染みついた野菜がマッチしていて、凄く良かった。

 次にいただいたのは麻婆豆腐……お味は。


「辛い! ……でも美味しい!」


 恐らく市販の麻婆豆腐の素よりも辛めに作られている。

 だが、ピリピリくる辛さの他にも、塩辛さも絶妙であり、これは癖になりそうだ。

 次にいただくのはカニタマ……。


「こ、これは……」


 なんと表現したらいいのだろうか……わからないが、これだけは言える。

 今まで食べたカニタマの中で一番美味しい。

 カニタマはそこまで好きではないが、大好きな料理になりそうだ。


「瑠璃ちゃん……美味しい?」

「うん! どれもとても美味しいよ! キセノン!」

「ありがとう……ちなみに……肉は……全部……イノシシ」

「あ、そ、そう……」


 言われなかったら気付かないね、これ……。


「キセノンはん、やっぱ料理も上手いな!」

「うん! アタシもノンノンの料理大好き!」

「ふん、まぁ、修行しているだけの事はあるな」


 ずっと一緒だった3人は、当然かもしれないが、キセノンの料理の腕を知っているようだった。

 まぁ、ゴルドはキセノンには料理を任せていたぐらいだし……リンとラピスは……話を聞く限り料理は壊滅的だから……。


「ほんと、美味しいよキセノンちゃん、また今度料理作ってくれないかい?」

「また……今度?」

「あぁ、ダメかい?」

「うーん……正直……私……自信ない」

「どうしてだい? こんなに美味しいのに」

「レパートリー……少ない……色んな国の料理……修行……したけど……まだ……完璧……じゃない」


 キセノンは何でもできると思ったけど、料理に関しては自信が無いらしい。

 勿体ないなぁ、叔母さんの言う通り、こんなに美味しいのにね。


「別に完璧じゃなくても良いじゃないかい」

「うーん……でも……みんなに……振舞うほど……じゃない」


 キセノンにはどこか拘りがあるようだ。


「じゃあキセノン、また完璧にできたら、食べさせてよ」

「うん……瑠璃ちゃん……みんなに喜んで……貰えるように……修行する」

「楽しみにしてるね」


 私たちは料理を堪能しつつ、会話を楽しんだ。

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