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第201話 イノシシの肉

「ひぃ!? キセノン! な、何その恰好!?」


 どういうわけかエプロンが……血まみれだった。


「みんな……おかえり……料理……作ったよ」

「りょ、料理!?」


 確かに美味しそうな香りはするが、キセノンのその姿はどう見ても料理をした感じではない。


「ちょ、ちょっとキセノンちゃん! 一体どうしたんだい!? 血まみれじゃないかい!」

「お肉……足りなかったから……山まで行って……イノシシ……狩った」

「は、はい!? そ、そういえば確かにお肉買い忘れてたねぇ……ってそうじゃなくて!」


 叔母さんの問いかけに、キセノンは驚愕の返答をした。

 イノシシを狩った!? 今間違いなく、買う方じゃなくて、狩りの方で言ったよね!?

 なんてワイルドな……。


「お、お肉が足りないなら電話で言ってよキセノン!」

「安心して……殺菌とかは……魔法で……やった……問題なく……食べられる」

「それは良かった……って、そんな事じゃなくて! なんでわざわざ……」

「だって……家のお金……勝手に使えないし……イノシシ……害獣だから……減らした方がいい……それに……私……血液……欲しかった……」

「そ、そうなの……」

「うん……まさに……一石二鳥……いや……三鳥かな?」


 キセノンは得意気な笑顔でピースサインをした。


「ちなみに……毛皮……採取した……イノシシの毛皮……ブラシとかに……使えるかも?」

「そ、そこまでやったの?」

「うん……頂いた命……隅々まで……使う……それが……犠牲になった……動物に対する……礼儀……サンルートで……学んだ」

「なるほど」


 サンルートの考え方は、やはりどこか日本と似ている。

 肉から毛皮、骨に至るまで最大限に使う、その考えは確かに正しい。


「ねぇねぇ、話してないで早く食べようよ! アタシバリお腹空いた!」

「ウチもや、腹が減ったわ~」

「ワシも……」

「ほらみんな、病院から帰ったんだから手を洗いなさい」


 叔母さんの言う事は正しい、病院から帰ったわけだし、ちゃんと手を洗おう。

 私たちは流しへと向かい、手を洗った。

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