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現代にダンジョンが現れたので、異世界人とパーティ組んでみた  作者: 立風館幻夢
第8章 立ち上がライズ! ドワーフじゃーないと!
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ドワーフの過去 その12 ~現実、そして前進~

「おい……諦めるのか?」


 ワシはふと、姉ちゃんにそう声を掛けた……すると、姉ちゃんは清々しい顔を見せた。


「まぁ、死ぬだろうね、私は……」

「……」


 ワシは感極まってしまい、姉ちゃんの手を掴んだ。


「そんなこと……言うんじゃねぇよ!!」


 彼女は、現実を受け入れていた……そんな姿を見て、つい声を荒げてしまった。

 しかし、彼女は、そんなワシの姿を受け入れるかのように……手を伸ばした。


「別に私は諦めたわけじゃないさ……死ぬことは分かってる、それはどうにもできない……なら、少しでも、アンタや息子と長くいられるように……頑張ってみるよ」

「……うぅ」


 ワシはそのまま……泣き崩れた。



 そんで……受付嬢の女は、そこから数か月後……呆気なく死んだ。

 だが、彼女なりに頑張って生きてこれたとは思った……医者も「よく頑張った方だ」と言っていた。

 ……ワシは悲しくて仕方が無かった、数か月たっても、まともに食事が喉を通らなかった。

 そんな姿を見て、パーティの奴らは心配そうな声を上げた。


「なぁ、ゴルドはん……そんな悲しまなくてもええやんか」

「うん……もう……数か月……経った……切り替えないと……」

「で、でもよ……」

「一途な奴やなぁ、気持ちは分かるけど、切り替えへんと、前に進まへんで」

「うん……ラピスちゃんの……言う通り……悲しみ……乗り越えて……新しい……恋……探そう」


 ……この時のワシは、まさかガキどもに励まされるとは思わなかった。


「だとしてもよ、あいつ並みに良い女……見つかると思うか?」

「きっと見つかるよ! ゴル爺! 元気出しなよ!」

「お、おう……」


 3人に励まされたワシは、少々納得いかなかったが……前に進むことにした。


「さ、ダンジョン行こ!」

「あ、待ってーな!」

「うん……行こう……」


 3人の後を追い、ワシはダンジョンへと向かった。

 新しい恋……すぐに見つかるのだろうか? ワシは信じられなかった。


「うーん……そんな事、世界が変わらねぇ限り、起こらねぇだろうな」


 そんなことを呟きつつ、走り出した。

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