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現代にダンジョンが現れたので、異世界人とパーティ組んでみた  作者: 立風館幻夢
第8章 立ち上がライズ! ドワーフじゃーないと!
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ドワーフの過去 その8 ~心配~

 ……後々、ラピスはリンとキセノンに対してこんなことを言ったらしい。

 「実は男が苦手で、男を目の前にすると恐怖のあまり放心状態になってしまう」ことが……。

 サキュバスのくせにそれはどうなんだ? と最初は思ったが、冷静になって「そういう奴がいても仕方がない」と考えた。

 ワシだって男女問わず色んな奴を見てきた、それこそ孤児院には、変わった連中が沢山いた……故に、そういうサキュバスがいても、何もおかしくはない。


 そんなこんなで、このパーティにいても仕方がないと考えたワシは、リンとキセノンに脱退する旨の事を伝えた。


「……てなわけだ、もうワシの役目は終わった、後は頑張れよ」

「えぇ!? 抜けちゃうの!?」

「そんな……」


 2人はワシが抜けることが大きな損害だと考えたのか、必死に止めようとした。


「おいおい、男と一緒だと放心状態になる奴がいるのに、ワシが居たら仕事にならないだろうが」

「そ、そうだけどさ……」

「残念……」


 ……そんなにワシは役に立っていたか?


「まぁ、何かあればまた声掛けろよ、なに、ずっとソロで探索者やってたんだ、今さら1人でも大丈夫さ」

「そ、そう? うーん……でも、ラピラピのためなら仕方ない……のかな?」


 リンとキセノンはとても残念そうな顔をしている……が、ここで、ワシは思った。

 「何故ラピスは男が苦手なのか」、「男に何かされた過去でもあるのか」と。

 気になったワシは、去り際、2人に伝えた。


「おう、そうだ。あのサキュバスのガキ……ラピスに伝えておいてくれねぇか?」

「な、何を?」

「お前がどういう理由で男が苦手なのか知らねぇが……もしも理由があるなら、誰かに話した方がいい、ましてやお前には仲間が2人もいるんだからな……ってな」

「う、うん! 伝えておくよ! また何かあったらよろしくね!」

「おう、じゃあな」


 ワシは2人に背を向け、その場を去った。



「……ってことがあったんですよ」

「そうかい、そりゃ気の毒だねぇ」


 パーティを抜けた翌日、受付の姉ちゃんにラピスについて話した。


「にしても、あんた、若い女に囲まれてるのになんで手を出さないんだい? 私なんかよりよっぽどいいじゃないか」

「ワシは現状、貴方しか見ていませんよ。それに、若い女はどうも好きになれないんですよ、なんか、昔面倒見てた奴らを見ているようでね」

「そ、そうかい……」


 ……面倒を見ていた奴ら、そう、ワシにとってあの3人は、そういう目でしか見れていない。

 ……と、そういえばあいつら……大丈夫だろうか?


「なんだい、心配そうな顔して」

「そ、そうですか?」

「あぁ、なんだか、『あのパーティ、自分抜きで回るだろうか?』って顔してたよ」

「え、いや……」


 どうやら、ワシの考えは筒抜けだったらしい。


「心配なら見に行ったらどうだい? ちょうど今日は、レイザー海岸に現れたダンジョンを探索中だよ」

「そ、そうですか……じゃあ……」


 奴らの居場所を聞いたワシは、そこに向かう事にした。

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