表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
現代にダンジョンが現れたので、異世界人とパーティ組んでみた  作者: 立風館幻夢
第8章 立ち上がライズ! ドワーフじゃーないと!
242/424

ドワーフの過去 その6 ~監視~

「け、結婚している……」

「あぁ、そうさ。まぁ、より厳密に言えば、『結婚していた』、かな? もう数年前に夫は死んじまったよ」


 ある程度、受付の女と仲良くなったある日、ワシは彼女に告白をした……が、彼女の答えは「夫がいるので無理」だった。

 曰く、「夫は亡くなってしまったけど、私の中で一番愛しているのは彼だけ」らしい……ちなみに子どももいて、既に家を出ているという事も話していた。


「で、でででででも、今は誰もいないってことですよね? あ、いや、別に亡くなった旦那さんはそりゃあ……あーでも……」


 ワシは「旦那さんが亡くなったのなら今はフリーですよね?」というようなことを言いたかったが、彼女に失礼だと考え、その場で訂正しようとした……が、頭の中が混乱してしまい、自分でも何を言っているのか分からなくなってしまった。


「ふふふ、ま、この歳で告白されるとは思わなかったけどね、ありがとう」

「は、はぁ……」


 彼女は笑って流してくれた。

 なんかすごい申し訳ない……そうだ。


「と、とにかく! ワシは貴方の事が好きです! ワシにできることなら何でも言ってください!」


 ワシは例え叶わない恋でも、彼女の幸せのためならどんなことでも行う所存だった。

 彼女はワシの言葉を受け止め、こんなことを言ってきた。


「ほぉ、何でもするんだね?」


 彼女は、とても不気味な表情を浮かべ、受付のデスクから身を乗り出した。


「それじゃあ、ちょーっとお願いがあるんだけどね」

「は、はい」

「実は最近パーティ登録したチームがあるんだけど、そのチーム、全員女の子でねぇ、しかも一人以外外国の子なのよ、心配だから、その子らを監視してくれないかい?」

「わ、ワシがですか? し、しかし……」

「何でもするんじゃないのかい?」

「は、はい……」


 ワシは彼女の言葉に負け、言う事を聞くことにした。



 受付の女の言う事を聞き、パーティを監視し始めて1か月。


「あいつら……バラバラじゃねぇか」


 この1月、奴らを見てて思ったことは3つ。

 まず1つに、吸血鬼のガキはどういうわけか1人で突っ走ってること、2つにそんな吸血鬼のガキの後処理をエルフとサキュバスのガキがやる羽目になっていること、最後に3つ……吸血鬼のガキはどういうわけかサキュバスのガキを一方的に嫌っているように見えることだ、理由は不明だが。


「全く……あんなんじゃ、いずれ大怪我するんじゃねぇか?」


 最初こそ、好きな女の言う事だから渋々監視していたのだが、段々と奴らの事が心配になってきた。

 まるで、実家にいる妹分を見ているようだった。

 ……そんなある日のことだ。


 奴らはある集落に現れたダンジョンの処理をしていた。

 無論、ワシもその様子を監視しつつ、対処にあたっていたのだが……。


「……ノンノン!」

「あかん!」


 ワシがモンスターの処理最中、ふと奴らに目をやると、サキュバスのガキが吸血鬼のガキの盾になり、重傷を負っていた。

 まずい……なんてことだ、このままじゃ、あのガキ……死んじまう!

 奴らもまずいことは理解していた、サキュバスのガキを抱え、安全地帯に戻るようだ。

 ワシもそれの後を追い、走り出した。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ