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現代にダンジョンが現れたので、異世界人とパーティ組んでみた  作者: 立風館幻夢
第8章 立ち上がライズ! ドワーフじゃーないと!
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第198話 病院ダンジョンを抜けて

「るり姉!」

「翡翠ちゃん!」


 人ごみを掻い潜り、翡翠ちゃんがこちらに向かって駆けこんできた。

 私は思わず前かがみになり、翡翠ちゃんを抱きしめた。


「よかった! るり姉が無事で!」

「心配かけてごめんね、翡翠ちゃん」


 私は翡翠ちゃんの頭を撫で、無事であることを伝えた。

 翡翠ちゃんもそれに応えるように、背中を撫でてくれた。


「そういえば銀次くんは?」

「あ、そうだよね! 案内してあげる!」

「ちょ、ちょっと……」


 翡翠ちゃんは私の手を引っ張り、銀次くんのいる所へと案内してくれた。

 翡翠ちゃん、ダンジョンにいたのに元気一杯……。

 人ごみを掻き分け、銀次くんの元に着いた。

 銀次くんは、看護師さんとゴルドに抱えられていた……でも表情は、どこか明るかった。


「銀次くん、足の調子はどう?」

「まだ痛い……でも、なんかできそうな気がするよ!」


 銀次くんは、後ろ向きな考えをやめ、前を向くことにしたようだ。


「その意気だよ、銀次くん、きっと退院できるって信じてるよ」

「うん! 僕、頑張る!」


 銀次くんは笑顔で、リハビリに専念することを誓った。


「これもおじちゃんのおかげだよ! ありがとう!」

「ま、まぁな! 頑張れよ! 銀次!」

「うん!」


 ゴルドと銀次くんはお互いに拳を合わせた。

 すっかり意気投合したみたいだね、この2人。


「銀次、足が良くなったら駄菓子屋に来いよ! また変な真似したら承知しねぇからな!」

「うん! おじちゃん! 絶対に治すよ!」


 うん、この調子なら、銀次くんは絶対に良くなる。

 そんな確信が、不思議と持てた。


「瑠璃姉ちゃん! 瑠璃姉ちゃん!」

「ど、どうしたの? 碧ちゃん」


 人ごみを掻き分け、今度は碧ちゃんが私の元へと近づいた。

 碧ちゃんは、キセノンを引っ張って来ていた。


「聞いてよ! ノン姉ちゃん凄いんだよ! 大きいコウモリに変身してね、こーーーんなに沢山の人を乗せてきたんだよ!」

「へぇー凄いね!」


 碧ちゃんは腕を大きく広げ、まるで自分の偉業のように、キセノンについて熱く語った。

 キセノンは照れくさいのか、顔を真っ赤にし、下を向いている……なんかかわいいな。


「凄いよキセノン、貴方のおかげだよ、病院の人たちを助けられたのは」

「そう……かな?」

「うん、碧ちゃんの言う通り、凄いよ」

「瑠璃ちゃんに……褒められると……嬉しい」


 キセノンは本当に凄い、力も強いし頭もいい、それでいて人々を守りたい意思がとても強い。

 キセノンみたいな人が居れば……異世界の人々の差別も、少しは無くなるのかな?


「助けた……お医者さん……医学の知識……少し……教えてくれた……後で……本……くれるって……言ってくれた」

「そうなんだ、良かったね」


 キセノンの頭の柔軟さなら、きっとすぐに理解できるだろう。

 そんなこんなで、しばらく私たちは、お互いに勝利を分かち合った。


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