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現代にダンジョンが現れたので、異世界人とパーティ組んでみた  作者: 立風館幻夢
第8章 立ち上がライズ! ドワーフじゃーないと!
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第197話 杞憂

「一通り一般人を安全地帯に送り届けられたかな……後残りの人は……」


 私はヒューマンシーカーの姿で、捜索を行っていた。

 モンスターに襲われる前に、1人でも多くの人を助け出さないと……。

 そんなことを思いつつ、走っていると……


「あ、あれは……」


 巨大な岩肌の上に、輝く宝石……アレは間違いない、このダンジョンを制御している魔石だ。


「かなり高い位置にあるみたいだね……ここは」


 私は巨大化アプリを起動し、カードを翳した。

 アプリを起動させると、『イッツ巨大化タイム』という音声と共に、和風のBGMが流れ始めた。


『アレはなんじゃ? 鎧武者! ヒューマンウォーリアー!』


 そんな音声と共に、私は巨大な鎧武者に変身した。


「よし、この魔石を壊せば元に戻るはず!」


 私は刀を振りかぶり、巨大な魔石を破壊した。

 魔石の破片が飛び散り、キラキラと輝く雨のようになった。


「よし、これでひとまず安心……かな」


 とりあえずこれでダンジョンは大丈夫だ……だが、病院にいた人たちは、みんな無事なのだろうか?

 体が弱い人が多数を占めているはずだ、今の銀次くんのように。

 そんな不安が過る中、私の周りに光が覆った。


「今は、全員の無事を祈るしかないか……」


 そんなことを呟きながら、私は元に戻るのを待っていた。



「……ん、ここは、病院の中か」


 気が付くと、私は病院の通路にいた。

 とりあえず、みんなを探さなきゃ……。


「リン! ラピス! ゴルド! キセノン! 叔母さん!?」


 手当たり次第に扉を開け、みんなを探した。

 ここは病院であり、静粛な場所でなければならないのは分かり切っていた。

 しかし今は、みんなを探すことが先決だと考えた。

 みんなを呼び掛けながら、手当たり次第に探した。

 すると、私の呼びかけが聞こえたのか、こんな声が聞こえてきた。


「ルリルリ!」

「下やで!」

「みんないるぞ!」

「瑠璃ちゃん! 早く来て!」


 ……どうやら下のロビーにいるらしい、私は足早に、そこに向かった。



「ルリルリ!」

「リン!」


 ロビーに降りると、リンが出迎えてくれた。

 ロビーには、私たちが安全地帯に運んだ病院の人たちが集まっていた。

 人々は、お互いの無事を確認できると、喜びを分かち合うように抱き合っていたり、安堵して肩を落としていたりしていた。


「病院の人に確認したら、全員無事だって言ってたよ」

「そうなんだ叔母さん、良かった……」


 私が今一番心配していたこと……どうやらそれは杞憂だったようだ。

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