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現代にダンジョンが現れたので、異世界人とパーティ組んでみた  作者: 立風館幻夢
第8章 立ち上がライズ! ドワーフじゃーないと!
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第177話 怪我、そして見舞いの約束

「いててて!」

「お、おい……大丈夫か?」


 銀次は足を着くのと同時に、足を抑え、痛みを訴え……苦しみだした。


「なんだい銀次くん……怪我をしているのかい?」

「う、うん……実は……あの地震の日……バランス崩して、階段から転げ落ちちゃって……」

「まぁ、それは……」


 銀次は自身の怪我の原因を語った。

 それを聞いたゴルドは、一連の銀次の行動に察しがついた。


「お、おい……じゃあさっきの生きたくねぇってのは……」

「……あぁそうだよ! もう僕の足は……治らないんだ」

「治らない? この世界の医療はそんなに発展してねぇのか?」

「……おじちゃん、よく見たら、あの動物の人たちの仲間?」


 銀次は、歩道の向こう側で座り込んでいるサンルート人を指差した。


「おいおい、あんな奴らと一緒にするんじゃねぇよ、んなことよりお前の事だ、お前の足が治らねぇってどういうことだよ?」

「……もう何度もリハビリしたんだ、立つ練習も病院で何回もやった……でも、ちっとも良くならないんだ」


 銀次の言葉を2人は真剣に聞いていた。

 琥珀は銀次の肩に手を置き、語り掛けた。


「いいかい銀次くん、そんな風に自暴自棄になっちゃてちゃダメだよ、貴方の足はきっと良くなるよ」

「……良くなる? もう1週間も経ってるんだよ? それでも……良くなると思う?」

「えぇ! 私はそう思う! ゴルドは?」

「わ、ワシも、そう思います!」


 2人……ゴルドは言わされているようであったが、声援を送る。


「そんな……言葉で何とかなるくらいならすぐに良くなってるよ……」

「……おい、銀次とか言ったか? お前なんでそんな卑屈なんだ? なんでそんな風に自分に幻滅してる?」

「……」

「いいか、テメェがそんなんだと、一生そのまんまだぞ」

「一生……」


 銀次は、ゴルドの言葉を重く受け止め、下を向いてしまった。


「ちょっとゴルド! 言い方もうちょっと柔らかくしなきゃダメじゃない!」

「あ、すみません……」

「……まぁでも、言っていることは間違いじゃないね、銀次くん、そんな風に後ろ向きに考えてちゃ、どんなことも上手く行かないよ」


 ……銀次は琥珀の言葉を聞くと、顔をゆっくりと前に向けた。

 その顔を見た琥珀は、手を叩いてある提案をした。

 

「そうだ! 今度お見舞いに行ってあげるよ! 病院はどこ?」

「……白倉病院」

「白倉病院ね、じゃ、約束!」


 琥珀は小指を立て、銀次と約束をした。


「それじゃ、私たちが病院まで送ってあげる、ゴルド、抱えてあげなさいな」

「は、はい!」


 琥珀とゴルドが銀次を抱え、立ち上がらせた。

 琥珀が落とした杖を手渡し、ゴルドが買い物袋をすべて持ち、3人は白倉病院へと脚を動かした。

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