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現代にダンジョンが現れたので、異世界人とパーティ組んでみた  作者: 立風館幻夢
第7章 吸血鬼、日々鍛えてますから!
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吸血鬼の過去 その5 ~偏った行動~

 ……そこからしばらく経ち、私はリンちゃんと出会い、サンルートの地へと飛び出した。

 リンちゃんは、まるで夜空に浮かぶ月のようだった。

 私の強さだけではなくて、私自身を見てくれるような……そんな存在。

 それに……信頼の印に口づけまでしてきた。

 私は……リンちゃんのことが大好きになった。


 リンちゃんと一緒にサンルートを出た時は……ようやっと独り占めできるって思ってた。

 だけど……。


「ねぇねぇ、ここで出会ったのも何かの縁だし! 私たちでパーティ組もうよ!」


 ギルドで困っていたサキュバス……ラピスちゃんを、リンちゃんが助けてしまったのを皮切りに、3人でパーティを組むことになった。

 最初、私はラピスちゃんを「邪魔な存在」としか見てなかった。


 今となっては、その時の自分が恥ずかしく見える。

 ダンジョン探索中、私はラピスちゃんの邪魔ばかりしていた。

 例えば……。


「ラピラピ! あのゴブリンをなんとかして!」

「はいよ! って、キセノンはん!?」


 私は前に出ようとしたラピスちゃんを吹っ飛ばして、代わりにモンスターを退治した。

 当時の私は、「リンちゃんにいいところを見せたい」と言う一心で、一人で勝手に突っ走っていた。


「倒した……行こう……」

「う、うん……」

「ほな、行こか……」


 2人の表情は、かなり引いていた。

 当時を振り返ると……かなり恥ずかしくて、思い出すのも苦痛だ。

 今、当時の自分を分析してみると、「初めて出来た好きな人も前で、かっこつけようとして空回りをしていた」のだと思う。

 他にも……。


「リンちゃん……これ……」

「えぇ!? これをアタシに!?」

「あのー……ウチには?」

「……ない」

「そ、そうかいな」


 リンちゃんにだけプレゼントをあげ、ラピスちゃんには渡さなかったり、ラピスちゃんに対して冷たい態度で接していた。

 本当に、ラピスちゃんには、本当に申し訳ない事をしてしまったと、今は思う。

 この時の私は、リンちゃんに振り向いてほしい一心で、偏った行動に出ていた。

 私はこの時、気づいていなかったのだ、そんな私の行動が原因で、危険な目に遭う事になるなんて……。


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