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現代にダンジョンが現れたので、異世界人とパーティ組んでみた  作者: 立風館幻夢
第7章 吸血鬼、日々鍛えてますから!
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第160話 救援要請

「さぁ、着きましたよ」

「あぁ、もう到着かい、ありがとうねぇ」


 私は公園の入り口前でご老人を下ろした。

 ご老人は地面に足を着くや否や、曲げた腰をさらに下げ、私にお礼を言った。


「ありがとうねぇ……やっぱり日本の人は優しいねぇ」

「いえいえ、当然のことをしたまでですよ、腰を上げてください……」


この人の腰がさらに折れると絶対に危ない……私は思わず、老人の背中を摩ってしまった。


「あぁすまんねぇ……でも、本当に……良いこと知れたよ」

「……え?」


 私……何かためになること言ったかな?

 ……そんなことを考えていると、突然、腕輪から着信音が鳴った……キセノンからだ。


「どうしたの? キセノン」

『ダンジョン……出た……土手の方……私……一般人と……一緒』

「わ、わかった!」


 いけない、早く行かなきゃ!


「す、すみません、今ちょっと緊急事態で、これで……あれ?」


 ご老人は……姿を消していた。

 どこ行ったんだろう……公園の中に入ったのかな? ならいいんだけど……とりあえず、キセノンの元へ向かわなきゃ!

 私は土手へと走り始めた。



「……いやはや、日本の人は本当に優しいねぇ」


瑠璃が助けた老人は公園の奥へと向かった。

公衆便所の後ろに入り、立ち止まった。

……そこには、息切れ状態のサンルート人の人間の女がいた。


「はぁはぁ……全く……冷え冷えでしたよ、こっちの気持ちも考えてくださいよ……」

「……でも、いい運動になったろえ?」


老人は、その人間に面識があるのか、笑顔で話し掛けた。


「……いい加減、その腹立つ口調はやめてくださいよ、あと変装も解いてください……『ダイヤ陛下』」

「……はいはい」


 老人は指を鳴らし……ローブ姿から、白い燕尾服のような身に纏い、猫の右耳、兎の左耳を付けた人間に変貌した。


「全く、なんですか……いきなり『日本の人と接触したい』とか……」

「……そろそろ、『次の計画のために』接触しておくべきだったではないか」

「まぁ……そうですけど」


 老人だった女……ダイヤの言葉に人間の女は、どこか納得していた。


「にしても、いつも申し訳ないな『ジルコ』、私の勝手な事に付き合わせてしまって」

「全くです……警備するこっちにの身にもなってください、見慣れない土地で隠れられる場所がよくわからないし……」

「ふふふ……」


 2人は……他愛のない会話を続けていた。


「……それでは、戻ろうか、『我々の拠点』に」

「はい、じゃあ行きますよ」


 人間の女……ジルコが指を鳴らすと、2人は透明になった。

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