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現代にダンジョンが現れたので、異世界人とパーティ組んでみた  作者: 立風館幻夢
第7章 吸血鬼、日々鍛えてますから!
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第157話 サンルートの老人

「んん~~~……さて、戻ろ……」


 外でお昼ご飯を食べ終え、大学院に向かって歩き始めた。

 ずっと営業停止状態だったファミレスも営業再開し、徐々に周りも普通に戻ってきた……けど、サンルートの人たちは相変わらずだ。

 広めの公園には彼らが未だに屯し、道路で寝そべっている人もいる……。

 しかも、彼らにとって事態は悪化しているように見えた。


 複数人に質問攻めされてたり、警察の人が取り囲んで荷物検査をしたり……酷いときには水を掛けられていた。

 最近のニュースでよく見る、サンルート人による窃盗事件などによって、あまりいい目では見られていないようだった。


「はぁ……この状況、良くないよなぁ」


 私はリン達のおかげでそういう偏見はない……と思いたいけど、みんなと会っていなかったら、きっと同じように、変な目で彼らを見ていただろうな……。


「……もしもし」


 考え事をしながら歩いていると、ふと、私を呼ぶ声が聞こえた。

 振り向くと、大きめのローブを身に纏い、杖を突いた人が立っていた。

 その人はお辞儀をするように背中が曲がっていて、足腰が悪いように見えた。


「……申し訳ございませんが、香田公園はどこですかえ?」

「香田公園?」


 その人の声は叔母さんよりもさらに年上の人の声ように聞こえた

 香田公園といえば……ここから結構離れた位置にある公園だ。

 この人はそこに向かいたいのであろうか? ……なんか、一人で向かわせるのは不安だな……。


「なら、私が案内しますよ」

「本当ですかえ? いやぁ、日本人は優しい人ばかりで嬉しいねぇ……」

「……日本人?」


 私はこの人の言った言葉に違和感を覚えた。

 日本人……向かう先が公園……まさか。


「貴方……サンルートの人ですか?」

「いかにも、そうですえ……ちょっと、散歩をして戻ろうと思ったら、道が分からなくなってねぇ……」

「そうですか、なら尚の事ついていきますよ」


 この人が警察に職質を受けたり他の人から水をぶっかけられる可能性がある、流石にご老人をそんな目に遭わせたくない。

 私が向こうまで案内してあげないと……。


「さぁ、どうぞ」

「まぁ……助かるよ……」


 私はこの老人を背負い、公園まで案内することにした。

 ダンジョン探索で鍛えられた影響か、あまり重く感じられなかった。

 早いとこ、この人を公園まで運ばないとな……何かあったら大変だし……。

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