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現代にダンジョンが現れたので、異世界人とパーティ組んでみた  作者: 立風館幻夢
第6章 さぁ、ファッションショータイムだ!
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サキュバスの過去 その14 ~失恋~

「すぅー……はぁー……すぅー……」


 深呼吸をし、体の底から落ち着こうと、ウチは自分の手のひらで顔を仰いだ。

 あかんあかん……あと少しで噴火するところやったわ。

 ふぅ……大分熱も冷めたし、そろそろ戻るかな。

 ウチは気を引き締め、ダンジョン探索の準備を整えようと、ギルドの中に入った。

 ……そこで、ウチは、衝撃の場面を見てしまった。

 衝撃とは言っても、あくまで「ウチにとっては」やが……。


「嘘……やろ?」


 ギルドの受付、そこにはアンはんと「ドワーフの男性」がいた。

 アンはんはその男性を抱きかかえ……接吻をしていた。

 そしてアンはんの足元に、「アンはんに似た男の子」がおった。


「愛してるよ、アンモラ」

「私も……」


 ドワーフの男性とアンはんは……お互いに愛の言葉を口にしていた。


「それじゃあママ! お仕事頑張ってね!」

「あぁ! 2人とも気を付けて帰れよ!」


 アンはんは2人向かって手を振り……見送った。

 2人は幸せそうな笑顔で、ウチの目の前を通り過ぎた。

 ウチは……放心状態になった。

 その2人が男やったからとちゃう……何か別の理由やと、この時すでに分かっていた。


「おぉラピス!」


 放心状態のウチに向かってアンはんは元気よく声を掛ける。

 その声はウチの耳を高速で通り抜けた。


「聞いてくれよラピス、さっきのは『私の夫と息子』なんだがね、忘れ物をわざわざ持ってきてくれたんだよ、いやはや、私は忘れ物を頻繁にしてしまうのだが、だからといっていきなり『キスしたい』とか言ってくるのはおかしいと思わないかい? この間だって……」


 ……アンはんの長話、いつものことなのに、今日はどうにも頭の中に入らない。

 理由はわかっていた……いや、わかりたくなかった。

 見間違いであってほしかった、せやけど……この目で見てしもうた。

 アンはんには……永遠に愛を誓った相手、そしてそれを証明する血のつながった存在がおる。

 さっきまでのウチ……まるで馬鹿みたいやないか。


「……全く、馬鹿みたいだよな? ラピス、そう思うだろ?」


 長話を終えたアンはんは、いつものようにウチに同情を求める。

 ウチはその言葉に……どういうわけか腹が立ってしもうた。


「……せやな、馬鹿みたいやな……ふふ……」


 アンはんの言葉に、ウチは呆れたのか……笑ってもうた。


「そうだろう? 全く場所を考えて欲しいものだよ……」

「ウチは……とんでもない大馬鹿や」

「……ラピス?」


 ウチは……手が出てしまい、アンはんの顔を……思い切りひっぱたいてもうた。

 何かがはじける音がギルドの建物の中をこだまし、辺りが静粛に包まれた。


「……」


 我に返ると、ウチは……手が震え、目頭が熱くなっていた。

 咄嗟にひっぱたいた手を抑え、ギルドの建物を飛び出した


「待ってくれ! ラピス!」


 2回目となるアンはんの制止の声、ウチはそれを無視し、一目散に逃げた。


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