サキュバスの過去 その8 ~有望な人材~
査定が終わり、ウチは言われた通り、一番上の階にあった部屋に来た。
部屋の扉には「支部長室」とデカデカと書いてあって、少々入るのに勇気があった。
息を飲み、ウチは慎重に扉を開けた。
部屋に入るや否やアンはんは「来たか!」と声を掛けてきた。
「いやはや査定結果を見たんだが、君はすごい魔力と体力を持っているようだな! これは将来有望だな!」
アンはんはウチの査定結果が書いてある紙を片手にそんなことを言った。
なんやろか……褒められると、照れてまうわ。
「そ、そうですかね?」
「そうだとも! 君ほどの人材はなかなかいないよ!」
アンはんは席を立ちあがると、ウチの肩を掴んだ。
な、なんやこの人……グイグイ来るな。
「是非私たちのパーティに入って欲しい!」
「ぱ、パーティ?」
なんや、パーティって? 意味わからん。
「そうだ! 大体私含めて3人のチームなんだが……どうかな?」
さ、3人のチーム……そ、そん中に……男はいたりせぇへんのかな?
こ、怖いわ……。
っていうか、もうウチ探索者やる流れかいな!? うーん……まぁ、ほんの少しやるだけや、別にオカンは深くかかわるなって言うとっただけやしな。
「なぁに! 全員いい奴だ! 女4人、頑張っていこうじゃないか!」
女4人……つまり、そのチームには女しかいない……これは……入ってもええかもな。
金稼ぐ手段もすぐには思いつかへんし……ちょっとぐらい、やってもええよな?
「わ、わかりました! お、お世話になります!」
「そうか! じゃあ善は急げってやつだ! 早速私の仲間を紹介しよう!」
「は、はい!」
ウチは再び彼女についていった。
☆
「どうだい? 全員いい奴だったろ?」
「はい、何とかやっていけそうですわ」
パーティーメンバーとの挨拶を終え、アンはんは「それじゃあ武器を選びに行こう!」とか言って、ギルドの外へと出た
アンはんのパーティメンバーは、皆いい人やった。
虎獣人のアンはんに、弓使いの人間さん、重そうな盾を装備した兎獣人と人間のハーフというメンバー構成やった……。
「それじゃ、武器を選ぶ前にラピスの役割を決めよう……君、何か得意なことはあるかい?」
「そうですね……普段から踊りの稽古はやっていたので、踊りには自信がありますけど……」
「踊りかぁ……」
アンはんは……顎を抑えて考え出した。
まぁ……踊りなんて、ダンジョン探索じゃ使えへんよな。




