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現代にダンジョンが現れたので、異世界人とパーティ組んでみた  作者: 立風館幻夢
第6章 さぁ、ファッションショータイムだ!
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サキュバスの過去 その7 ~支部長~

 ……次の日、ウチはオカンが教えてくれた場所へと向かった。

 目立たないように、大きめのローブに身に纏い、男を避けながら歩く。

 ……端から見たウチは、完全に怪しい奴やった。


「探索者ギルド……ここやな!」


 そそくさと歩いていると、目的地に着いた。

 大きな看板に書かれている文字……間違いなかった。

 さて、入ろう……と思ったんやけど。


「……は、入れん」


 目の前に、男の探索者が屯していた。

 ……怖い、入れない。

 足がすくんで、その場に立ち止まってしまった。

 ……興味本位で来たはええけど、別に入りたいわけでもあらへんし、ここは帰るか。

 そう考え、体を後ろへ戻そうとした……その時やった。


「……なんだ? ずっとそこで立ち止まっているようだが、入所希望か?」


 突然横から声を掛けられ、ウチはビクついてもうた。

 声を掛けた人は……虎獣人の女の人やった。

 背丈はウチより少し高い、動きやすそうな革製の鎧を身に纏って、短剣を2つ装備していた。


「あ、えっと……そ、そうです」


 ウチは思わず、そんな風に答えてしもうた。

 すると、女の人は……満面の笑みをウチに見せてきた。


「そうか! いやはや、この辺の地域は入所希望者が少なくてねぇ、歓迎するよ! ついてきたまえ!」

「は、はい……」


 ウチは彼女に圧倒されてしまい、ついていってしまった。


「君、名前は? 私は『アンモラ』、アンって呼んでくれ」

「ら、ラピスと申します……」

「ラピスか、よろしくな……なるほど礼儀正しい、君はサキュバスかな?」

「は、はぁ……そうですけど……」

「珍しいねぇ、確かにこの近くに遊郭街があったよな? そこから来たのかい?」

「はい……」

「そうか! いやはや、うちに所属している男衆がよくそこに遊びに行くと言っていたねぇ、あ! そういえば女もあそこのインキュバスがかっこよくて好きとか言ってたなぁ、私にはそうは見えないのだが……そうそう! ここの男はとても豪快で乱暴なんだ、この間なんか……」


 女の人……アンはんは、ウチに話す隙を与えず、一方的に話し始めた。

 ウチは彼女に乗せられるかのようについていった。

 そして気が付くと……受付の前に立たされていた。


「こ、これはアンモラ支部長!?」

「おう! 新たな入所希望者連れてきたぜ!」


 し、支部長!? つ、つまりアンはんって……お偉いさんかいな!?


「いやはや嬉しいねぇ! 最近人手不足で助かるってもんだ!」

「は、はぁ……」

「そうだ! ここであったのも何かの縁だろう! 査定が終わったら私のところに来てくれ! この建物の一番上の階で待ってるからな! それじゃ、あとよろしく! 受付員さん!」


 ウチは受付員の人に連れられ……そのまま査定を受けることになった。

 ……まぁ、受けるだけ受けてみるか。


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