表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
現代にダンジョンが現れたので、異世界人とパーティ組んでみた  作者: 立風館幻夢
第6章 さぁ、ファッションショータイムだ!
166/424

サキュバスの過去 その5 ~違う何か~

 ……あの日から数日。

 ウチはあることに気付いてしもうた。


 昼間、外に出たとき、何度か男とすれ違った。

 別にこの時間にいる男なんて、ウチと同族……オトンと同じ種族、インキュバスの人たちや。

 せやけど……インキュバスが通り過ぎるたびに、ウチは無意識に、拒絶するようにそそくさと動いてしもうた。

 ……怖い、男が通り過ぎるたびに、ウチは拒否反応を示してまう。


 男は……ケダモノや。

 欲のためなら、どんなことでもする……それが男の本質。

 現に、あの男たちはウチを誘拐し、欲を満たす道具にしようとした。


 男が怖くて……仕方がなかった。

 唯一話せる男は……オトンだけやった。


「ラピス! どないしたんや!?」


 家に戻ると、恐怖で震えていたのを察したのか、オトンが声を掛けてきた。


「オトン……ウチ……男が……怖い……」

「男がか? せやけど、俺とは話せてるやんか」

「オトン……」

「きっと気のせいや、な?」


 オトンはウチを気にかけてくれたのか、ただの勘違いだと……そう言ってくれた。

 せやけど……ウチにはわかっていた。

 ウチは……男が……怖い。



 ……それから数年経った。

 いつものように稽古をし、男に対する恐怖心を抱き、そして一日が過ぎる。

 あともう数年で……ウチは男の相手をせなあかん……。

 ウチはそれが、とてつもなく嫌やった。

 ……オトンもオカンも、ウチがそんなんやと見破っていた。

 それから間もなく……オカンの方から「体調が優れないので今回の話は見送ってほしい」と言ってくれた。

 女将もウチの事を理解してくれて……「一緒に仕事ができないのは悲しいが、また体調がよくなったら声を掛けてくれ」と言ってくれた。

 そんでもってウチは、しばらく……大体100年もの間、無職生活を送ってた。

 オトンもオカンも収入はそれなりにあったので、ウチは不自由なく暮らせたんやけど……それがなんとなく嫌やった。


 ウチは何度も仕事を探そうとしたけど……これがかなり難しかった。


 ……男にビクビクしてるサキュバスなんてウチぐらいなもんや。

 せやから、この街でウチの事を知らん奴はおらんかった。


「ほら、あの子や、噂の……」

「あぁ、男一人もできない子やろ?」

「むしろ男の方が避けとるんや、きっと」

「おいあいつや」

「あはは、お前声掛けたらどうや?」

「無理や無理や、きっと、そそくさと逃げられるだけや」

「せやな! あはは!」


 ……街を歩くだけで、こんなことを言われる。

 まるでウチは見世物の動物や……。

 ……次第に今やっている稽古も、ただ男の欲望のために行っていることやと……そう考えた。

 何か……違う事がしたい。

 今やっている事とは違う何かを……。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ