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第16話 誰のために

「待ってーな!」

「おい、待てよ!」

「……なんか……いいかも」


 他3人も、私たちに連れられるようについて来る。

 正直ここから先不安だけど……大丈夫かな?

 不安……そういえば。


「翡翠ちゃん……大丈夫かな?」

「翡翠ちゃんって……あの女の子?」

「うん……安全地帯って本当に安全なの?」

「うん! バリ安全だよ! あそこは絶対にモンスターが入れない場所だから!」

「なんで?」


 この洞窟……ダンジョンって見た感じ怪物だらけだ。

 なんでそこだけ怪物が入れないんだ?


「ダンジョンはウチらでも分かってない事が多いんや」

「そうなの?」


 見たところ、皆プロフェッショナルなのに、それでも分からないことが多いのか……。


「それ……不安じゃない?」

「不安? 不安なら探索できねぇのか?」

「いや、そうでしょ、なんで分からないことがあるのに、探索なんてやるの?」

「お前なぁ……分からねぇからやるんだよ」

「……え?」


 分からないからやる。

 私はゴルドの言い分が理解できなかった。


「あのね、ルリルリ。ダンジョンは、誰かが探索してぶち壊さなきゃいけないんだよ」

「……ぶち壊す?」

「そう、ダンジョンの一番奥には、ダンジョンを保つための魔力が溜まっている場所があって、それを壊すとダンジョンが消えるような仕組みなんだよ」

「へぇー……」


 なるほど、そういう仕組みなのか。


「それでね。それを壊すためには、中に入って進むしかない……無論、誰でも出来る事じゃない、でしょ?」

「それは分かるけど……」

「だから、それができる私たちがやるしかないの」

「……リンは怖くないの?」

「そりゃバリ怖いよ、当たり前じゃん」

「……」


 本当に怖いのだろうか? 随分余裕そうに見えるけど……。


「ウチも2回くらい死にかけたことあったなぁ。あれはホンマにきつかった……今ではいい思い出や」

「私……腕……失いかけたこと……ある」

「え、えぇ……」


 命がけすぎる……少し引いちゃった。

 本当に死と隣り合わせだな……。


「誰かがやらなきゃ終わらない。他の誰かがその責任を負うくらいなら、力があるアタシたちがやるべきなんじゃないかって思うんだ」

「な、なるほどね」


 リンの表情はどこか真剣だった。

 力がある自分たちか……この人たち、凄いな。


「だからさ、ルリルリもバリ凄い力があるんだから、一緒にやろうよ!」

「えぇ!? 私!?」

「うん! その武器だけでここまで来れるなんてバリ才能だよ! 何かやってたの?」

「えっと……小学校の頃に……剣道をちょっとね」


 まぁ、それが生かされていたかどうかは分からないけど……。


「ショウガッコウ? ケンドウ?」

「あ、えーっと……」


 ……私の言った事に、リンだけではなく他3人も困惑している……サンルート王国? には小学校は存在しないのかな?

 剣道はまぁ……知らないとは思うけど……。

 ていうかそもそもさっき話してた……サンルート王国ってなんなんだろう? 皆の話、早く聞きたいな。

 これで論文を書いて出したら、教授がひっくり返るかもしれない、奴をあっと驚かせてやりたいものだ。


「さ、先に進もうや、はようダンジョンを潰さへんと」

「そうだね! 急ごう! ルリルリも!」

「あ……うん!」


 とりあえず……このダンジョンとやらを何とかしてから存分に聞こう。

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