第147話 合体、イセカイジン マッシヴ
「もう……みんなして私にキスするなんて……」
「……ごめん、ルリルリ」
「ほんま、すんまへん……」
「ごめん……なさい」
私は正座をする3人に向かって説教をする。
本当にさ……キスするのはいいけどさ、状況とか考えてよ……。
「……ま、みんながお互いを信頼してるのは分かったよ」
「でしょ? ルリルリもそれに含まれるからね!」
「う、うん……」
私も信頼できる仲間か……まぁ、そう言ってくれるのは嬉しいけどさ。
「おい瑠璃、目が覚めたんならさっさと行こうぜ」
「うん……ってゴルド! そういえば貴方は何で見て見ぬふりをしてたわけ!?」
「あ、いや……だってよ、ワシがあーだこーだ言うのはおかしいと思ったし……」
「そこは言ってよ!」
なんで変に配慮するかなぁ……まぁもう過ぎたことだから言わないけどさ。
「まぁいいや、みんな行くよ! 『転生』!」
みんなで「転生」と唱え、カードを翳し、各々鎧を身に纏った。
「よし、それじゃあ、さっさとダンジョンボスを探そうぜ!」
ゴルドはそう言って、カードを翳そうとしたが……キセノンは巨大化しようとしたゴルドを止めた。
「巨大化……する必要……ない」
「なんでだよ?」
「あそこに……いる……」
キセノンは上の方を指差す……その方向……かなり遠くだが、スタジアムぐらいの大きさの巨大な蜘蛛の巣が見えた。
そこには……その蜘蛛の巣の3分の1はある蜘蛛が見えた。
「おいおい、なら尚の事巨大化した方が良くないか?」
「いや……ここは……合体の……カード……」
合体のカード、そうか、それか!
「よし! それじゃ……行きますか!」
私はリンとラピスと顔を合わせ、合体準備が万全であることを確認し合った。
よし、2度目の合体、行ってみよう!
私は巨大化アプリを起動し、カードを翳した。
よし! それじゃあ合体……。
<巨大合体 イセカイジン マッシヴ>
……画面にそんな表示が出たので、困惑してしまった。
イセカイジン……マッシヴ? この間はビューティフルって出てなかった?
……ふと、翳したカードを見ると、カブトムシの冠を被った屈強なロボが描かれていた。
そ、そういえばカード2つあったっけ? と、ということは……。
「うおお!? ワシ、どうなって……」
「私……合体……する?」
ゴルド、キセノンの体が光に覆われ……2人と同様に、私の体も光に覆われた。
私が鎧武者の姿になり巨大化すると、ゴルドは巨大なカブトムシ、キセノンは巨大なコウモリになった。
2人が私に向かって突撃し……カードに描かれた戦士になった……ようだった。
不思議と、力がみなぎり、体が若干重たく感じた。




