第134話 安全地帯と「彼」
「……着いたよ、ここが安全地帯」
しばらく歩き、入り口に魔法陣が描かれていた空間の中へと入る。
ここは間違いない、安全地帯だ。
「ここ……本当に安全なの?」
「うん! ここに居れば、さっきのキモい蜘蛛は来ないから」
「本当に?」
「本当!」
……私が安全地帯の説明をすると、蛍ちゃんは安心したのか、その場に座り込んだ。
「はぁ……良かった……」
……蛍ちゃんも私に引けを取らず、疲れ切っているようだった。
私も……座ろう。
「はぁ……疲れた!」
「本当に……ここまでありがとうございました、瑠璃さん」
「いいっていいって、それより、貴方の連れのお姉さん、無事かな?」
この子のお姉さん……リンとラピスが助けてくれているといいけど……。
「私も心配……お姉ちゃん……」
この子はもっと心配だろうな……身内だし。
そうだ、外に出たらまず、この子のお姉さんを探そう。
「お姉さんの特徴教えて! 私がここに連れてきてあげるから」
「本当!? えぇっと、お姉ちゃんはね……」
蛍ちゃんがお姉さんの特徴を伝えようとしたその時、私たちを3つの影が覆った。
蛍ちゃんは怖くなったのか、私の腕を掴んだ。
「な、なに!?」
「大丈夫、怪物じゃないから、ちょっと待ってて」
私は影の付け根……安全地帯の入り口まで走り出した。
この影……まさか。
「リン! ラピス!」
「ルリルリ!」
予想通り、リンとラピスだった。
2人は一般人を救出したのか、男性を連れていた。
この男性……まさか。
「あ! 貴方はあの時の……」
「あ、その節はどうも……」
財布を拾ってくれたあの人だった。
ふとラピスを見ると……リンの体にしがみつき、放心状態だった。
「ルリルリ、一般人連れてきたよ!」
「わ、私も一人連れてきたんだ……でも、その人お姉さん……連れと離れ離れになったって……」
私が救出した人……蛍ちゃんについて話すと……。
「あれは……蛍?」
「……え?」
男性は……向こうにいる蛍ちゃんを見て、走り出した。
……あれ? 確か蛍ちゃん、お姉さんと一緒にって……。
「蛍!」
「そ、その声は……お姉ちゃん!?」
……お姉ちゃん?
ってことはまさか……この人……女性!?
「蛍! 無事でよかった……」
「私も……凄い心配したよ! お姉ちゃん!」
蛍ちゃんとお姉さんは、お互いにでき締め合い、再会を分かち合っていた。
……するとリンは、小声で私に話しかけてきた。
「ねぇルリルリ……あの人……もしかして……女の人?」
「うん……女性だね」
リンはラピスの腕を引っ張り、彼が彼女であることを伝えると……。
「ほ、ほんまに?」
「うん、間違いないよ」
「そ、そうか……そうなんか……」
ラピスは……顔を真っ赤にして、その場にしゃがみこんだ。
「う、ウチ……なんて失礼なことを……」
ラピスは……自分が恥ずかしくなったのか、しばらくしゃがみこんでいた。




