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現代にダンジョンが現れたので、異世界人とパーティ組んでみた  作者: 立風館幻夢
第6章 さぁ、ファッションショータイムだ!
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第129話 サキュバスの恐怖心

「あ、おおき……に……」


 ラピスは……突然沈黙し、体が震え始めた。

 ……どうしたんだ?

 ふと、財布を拾った人物を見ると……何とその人物は……「男性」だった。

 短い髪に、高い身長……ラピスとほぼ同じくらいの背丈だ。

 男性にしては少し低い気もするが……間違いない。


「あああ、ありがとうございます!!」


 私は咄嗟に財布を受け取り、ラピスの前に立った。


「いいですよ、財布落とすのってショックがデカいですもんね、それじゃ!」


 財布を拾ってくれた男性はそう言って……服屋の奥の方へと行ってしまった。

 彼がどこかに行ったのを確認した私は、咄嗟にラピスの方へと振り向いた。

 ラピスは……その場でしゃがんでいた。


「ラピラピ! しっかり!」

「ラピス! しっかりして!」


 私たちは咄嗟にラピスの肩を掴んだ。

 ふと、彼女の顔を見てみると……今にも泣きそうな表情をしていた。

 ……まずいな。


「リン! とりあえずラピスを外に出して! 私はお会計済ませておくから!」

「うん!」


 リンはラピスを立ち上がらせ、外へと連れ出した。

 私は急いでお会計を終わらせ、手早く袋詰めし、外へと飛び出した。



 一方、財布を拾った人物は。


「ごめん、待たせたね」

「もぉーどこ行ってたの?」

「ごめんごめん、財布を落とした人がいてさ」


 財布を拾った人物は、一緒に服屋に来ていた連れの元へと合流し、買い物を続けた。


「全く……『お姉ちゃん』ったら、困った人を見つけるとすぐ周りが見えなくなるんだから」

「そりゃ、困ったときはお互い様でしょ?」

「それは……そうだけどさ」


 そう……ラピスは財布を拾ってくれた人物を男性だと思っていたが……「彼」は「彼女」だった。

 彼女は妹と共に、ある目的のために服屋に訪れていたのだ。


「もぉー、ここ、全然ダメ! やっぱりいつもの服屋じゃないと『踊った時』に映えないよー」

「わがまま言わないの、このご時世でやってる服屋なんてここぐらいなんだからさ、それとも……自作する?」

「えーお姉ちゃんも私も裁縫苦手じゃん! 私は毎回怪我するし、お姉ちゃんは『雑巾みたいな服』作るし!」

「あははー……そんなこともあったねー……」


 2人は、ダンスのための衣装を買いに、服屋に来ていたのだ。

 他愛もない姉妹の会話、2人はそrんなことをしつつ、服を吟味する。


「ごめん、私ちょっとお手洗い行ってくる」

「行ってらっしゃい」


 妹はお手洗いに向かう……姉は妹を見届けた後、服を再び吟味し始めた……そんな中、それを妨害するかのように、2人の足元に魔法陣が現れた。


「……え?」

「な、なに……?」


 2人は得体のしれないものを見て……動揺し始めた


「お姉ちゃん!」

「……『蛍!』」


 2人の周りを光が覆った。

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