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現代にダンジョンが現れたので、異世界人とパーティ組んでみた  作者: 立風館幻夢
第6章 さぁ、ファッションショータイムだ!
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第121話 朝飯前

 チーム名が決まり、私たちは地下室の中をじっくり見て回った。


「あ……リンちゃん……」

「何? ノンノン」

「この……英語って言語……ファンスウィン語と……同じ……だった」

「え? そうなの?」


 キセノンはリンに英語の教科書を手渡した。

 なるほど……現実のアメリカとカナダと同じようにファンスウィンは英語が公用語なのか。


「瑠璃ちゃん……この本たちって……なんで……地下室に? 知識……沢山……知れるのに?」

「あぁ、それは私が子どもの頃に学校で使ってたやつなんだよ、ずっとここに仕舞ってたみたい……その……家にいるのが嫌で、ここに学校の教科書やら持っていくものを置いてたりしたからさ……」

「これを……子どもの頃に? 日本……教育……発達……してるね」

「まぁ、世界的に言えばそうなのかもね」


 リンたちが小学校を見て驚愕の顔をしてたけど、やっぱり、みんなのいた世界は教育があまり行き届いていないのだろうか?

 だとすると……この先、転移してきたサンルートの人の教育はどうするんだろう?

 最低でも中学校卒業レベルが無いと働くのもままならないと思うんだけど……。


「うーん……読んでみてもようわからんわ、ウチには」


 ラピスは小学校一年の国語の教科書を見てそんなことを呟いた。


「ラピスちゃん……まずは……ひらがなと……カタカナ……覚えたほうが……いい」

「ひらがな? カタカナ?」

「あれの……こと」


 キセノンは壁を指差した。

 指を差した先……そこに飾ってあったのは、お風呂場に貼れる「あいうえお表」だった。

 どこからか見つけて貼ったようだ……っていうか、こんなのあったんだ。


「ほう……こいつが日本の文字か……まぁ、覚えねぇとこの先まずいだろうな」


 ゴルドが票を見てそんなことを呟く。

 確かに、まずはここから覚えないとね。


「せやなぁ……でもここにあるだけじゃ覚えられなさそうや……これ、色んなとこに貼ってくれへんかなぁ?」

「そう……思って……複製した」


 キセノンはそう言って……「あいうえお表の束」を取り出した。

複製したの!? すご!?


「琥珀ちゃん……これ……いろんなところに……貼って?」

「あぁ、勿論いいよ。それにしてもキセノンちゃん、本当に……凄いね、私さっきから驚きすぎてるよ」

「修行のためなら……これくらい……朝飯前」


 キセノンの言う修行……具体的にどういうことなのかよくわかってない。

 前にお風呂に入った時も、私の体を見て「修行が足りない」とか言ってたけど、今回は、勉強についても修行と例えた……どんなことに対しても鍛えるという事なのだろうか?


「朝飯前と言ったら! みんな! 早くご飯食べようよ! アタシバリお腹空いてるからさ!」

「リンの言う通りだね、みんな、朝ごはん食べよ!」

「……だな、琥珀さんとの料理が冷めちまう!」

「ウチもお腹空いたわー」

「修行に……夢中で……食べるの……忘れてた」

「それじゃ、みんな行くよ!」


 満場一致で、朝ごはんを食べることが決定し、私たちは地下室を出た。

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