第120話 ダンジョン探索隊アナザーワールズ
「ねぇキセノン、私……こんな旗幼少期に持ってた記憶無いんだけど?」
「あ……それ……私……作った……使わないと思った……布類……改造した……かっこいい?」
「か、かっこいい……まぁ、そうかもしれないけど……この文字は何?」
私はデカデカと描かれている「1+4」と「ダンジョン探索隊アナザーワールズ」という謎のチーム名を指差した。
「あ、それアタシも気になってた! なにこれ?」
「ウチも気になるわぁ、なんて読むんや?」
「ふーん……確かにかっこいいかもな」
「なんだいこの旗? 私も気になるよ」
4人も旗に近づいた。
キセノンも旗に近づき、解説を始めた。
「まず……この……数式……1は……瑠璃ちゃん」
「こ、これが私? じゃあ4って……」
「うん……私と……リンちゃん……ラピスちゃん……ゴルドちゃん……1+4は……1人の日本人と……違う世界からやってきた4人……」
「なるほど……」
算数の教科書で着想を得たのだろうか? 確かに分かりやすいかも。
「じゃあノンノン、この文字は? なんて読むの?」
「その文字は……『ダンジョン探索隊アナザーワールズ』……って読む……私たちの事」
……ん?
「だんじょん……」
「たんさくたいぃ?」
「あなざー……わーるず?」
……それが私たちのチーム名?
それってまさか……特撮からインスパイアされたの?
いやいやいや、安直すぎない? アナザーワールズって即ち「異世界たち」って意味じゃん! 直訳すると……言い方悪いけどダサくない?
キセノン……もうちょっといいネーミングを……。
「なんか……バリかっこいいね!」
「せやなぁ、いい響きや」
「ま、悪くねぇな」
……えぇ? みんな気に入っちゃったよ……本当に?
「瑠璃ちゃん……どう?」
なんで私に振るの!? あぁもう!
ここでダメだなんて……言えるわけないじゃない……。
「ま、まぁ……いいんじゃない?」
……私はそれとなく、賛成に一票を入れた。
「それじゃあ……」
「アタシたちのチーム名、決定だね!」
「ダンジョン探索隊アナザーワールズ……ええな!」
「おう、ワシは良いと思うぜ!」
……決まっちゃったよ、チーム名。
まぁ、みんなが気に入ってるならいいのかな?
「なんだい、私は仲間外れかい?」
……叔母さんは不機嫌そうな顔でそう呟いた。
ちなみに今回のサブタイトルですが、もともとこっちを小説のタイトルにする予定でした……。




