第110話 巨大合体
はぁ……はぁ……危なかった。
あと少しで巻き込まれるところだった……。
「じゃ、ダンジョンボス探すのと、最奥地探そう……」
私はへとへとになりつつ、みんなにそう言った。
しかし、それに待ったをかけるように、キセノンは上を指差した。
「その必要……ない……かも」
「……え? って、あれは!?」
指を差した先、そこにいたのは……巨大なゴーレムだった。
どのくらい巨大化と言えば隣の廃墟ビル4棟分ぐらいの大きさはある。
「バリでっかい……」
リンは口元を抑え、動揺している。
これはリンに同意だ、冗談抜きで大きい、これ私たちが巨大化して対抗できる相手なのだろうか?
「……なんにせよ、こっちには巨大化がある! 行くぜ!」
ゴルドは巨大化の準備を始めた。
……と、ここで、気になることが。
「……そういえば、このカード……結局なんなんだろう?」
「おい瑠璃! 今はそんなこと気にしてる場合じゃねぇだろ!」
「だ、だけどさ……」
この見た目……やっぱり巨大化したみんなの一部分だよね?
ってことは……。
「物は試しだ! やってみよう!」
私は巨大化のアプリを起動し、「ボウガンと扇子を装備しているカード」を翳した。
すると、腕輪に見たことも無い表示が現れた。
<巨大合体 イセカイジン ビューティフル>
……ん? イセカイジン? なんだそれは?
ってあれ? 私だけじゃなくてリンとラピスも光に覆われてない?
「あ、あれ? アタシたち巨大化のやつやってないよね?」
「な、なんや? 体が勝手に……」
私、リン、ラピスが巨大になるようだ……巨大合体……まさか。
「リン、ラピス! 私たち……合体するよ!」
「えぇ!? それってどういうこと!?」
「なんやねん合体って! なんかゴーダスターズで見たような……」
そうこうしているうちに、私たち3人は巨大化を始めた。
私は大きくなり、巨大な甲冑を身に纏う……と、思いきや。
「あれ? 背中が……そうか!」
背中の走行が外れ、巨大化したリンの羽が取り付けられ、そのままリンはボウガンになり……私の片手につく。
そして、ラピスの羽が片方に装備され、頭に何かかぶさったような感触がした。
「リン、ラピス、大丈夫?」
私は開口一番、2人を呼び掛けた。
『うん! バリ大丈夫!』
「あ、あれ?」
なんか……私の口元から、リンの声が出てない? っていうか体が勝手に動いたような……。
『ウチも大丈夫やでー……って、なんか体おかしない? これウチの体かいな?』
やっぱり体が勝手に……まさか。
「これ……私たち融合してない!?」
『えぇ!? どういうこと!?』
『つまり、三位一体というやつかいな!?』
……ラピスの例えが分かりやすい、これは確かに三位一体……3人で1つの体だ。




