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現代にダンジョンが現れたので、異世界人とパーティ組んでみた  作者: 立風館幻夢
第5章 異世界人、ショッピングモール、ベストマッチ!
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第109話 新たなレアアイテム

「おい! 聞いてくれよ! 向こうにアエースエルスルームが……っておい、大丈夫か?」


 ゴルドは私とラピスの状態を見て、違和感を感じたようだった。

 うん、そうなるのも当たり前だ。


「えぇ!? アエースエルスルーム!? それ本当!? ゴル爺!」

「あ、あぁ……今キセノンがそこの入り口前で待機してるぜ、早く行くぞ!」

「うん! ラピラピ、ルリルリ! 早く行こう!」


 ……アエースエルスルーム、凄く発音しづらい名前だからよく覚えてる。

 変身するための腕輪とカードを手に入れた……所謂レアアイテムをゲットできる部屋。

 ……また新たなレアアイテムをゲットできるかもしれない。


「じゃあ、行こうか、ラピス」

「せ、せやな……」


 ……この何とも言えない空気を変えるためにも、早く行こうか。

 私たちはアプリを起動し、カードをかざして、変身した。



「こっちだ!」


 ゴルドの誘導に従い、私たちは走る。

 目的はゲーミングPCみたいな部屋、アエースエルスルーム……なんでこんな発音しづらい部屋にしたんだろう? 命名した人に問い詰めたい。


「あれだ!」


 ……ゴルドが指差した先、そこにはカラフルな扉をした廃墟。

 扉の前には、変身したキセノンが待機していた。


「……みんな……待ってたよ……」


 キセノンは私たちを見るや否や、こちらに近づいてきた。

 全員揃った……じゃ、入ろう。


「……じゃ、早く入ろうか」


 私は扉に手をかけ、最初の一歩を踏み出す。

 ……中は相変わらず、目が痛くなるくらいチカチカしていた。


「……あれだね」


 そう遠くない……奥の方に箱があった。

 中身はなんだろう? この部屋の中にある物だから使えるやつだとは思うけど。


「なんだろうね、バリ楽しみ!」

「瑠璃ちゃん……早く……開けて」


 リンとキセノンは期待に胸を躍らせていた。

 私も正直楽しみだ。


「じゃ、開けるよ?」


 箱の蓋に手をかけ、ゆっくりと開ける。

 ……中に入っていたのは。


「これは……新しいカード?」


 ……変身する時に使うカードと似たようなものだった、それも2枚

 両方とも、変身する時に使うやつと絵柄が違う。


「なんだろう……私が変身した姿に似てるけど……ちょっと違う気がする」


 1枚は、片手に黒い扇子のようなものを持っていて、もう片方の手にはピンクのボウガン、そして背中に刀のようなものを背負っていて、虫みたいな羽が生えていた……しかもなんだか見た目が身軽そうで、頭には蝶のような冠をしていた。

 もう1枚は、黄色い鉄槌のようなものを背中に抱えていて、青いコウモリの羽が生えていた……1枚目とは違い、こちらは屈強そうで、カブトムシみたいな王冠をしている。

 ……待てよ?


「これ……みんなの特徴が入ってない?」


 ボウガン、扇子、鉄槌、屈強な体……それぞれリン、ラピス、ゴルド、キセノンの特徴の1つだ……なんだこれは?

 ボウガンはよく見ると、リンが巨大化した姿のような蜂みたいな形をしているし、扇子もラピスが巨大化した姿のような蝶の羽みたいだ。


「ほ、ほんと!? 見せて!」

「私も……見たい」


 リンとキセノンは私に近づき、カードを興味津々に見つめる。

 なんだろうか? このカードは? なんとなく強そうなのは分かるけれども。


「な、なぁみんな、ちょっとそろそろあかんで」


 ラピスは部屋の周りを見てそう呟いた。

 ……そうだった、早く出ないと危ない。


「みんな、出よう!」


 私たちは足早に部屋を出た。

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