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現代にダンジョンが現れたので、異世界人とパーティ組んでみた  作者: 立風館幻夢
第5章 異世界人、ショッピングモール、ベストマッチ!
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第99話 捜索と焦りと膝枕

「とりあえず、分かれて探そう! アタシとルリルリはこっちを探す! ラピラピとゴル爺はあっち!」

「じゃあ……一通り探したら、腕輪から電話を掛けて! 掛け方は教えたよね?」

「うん! バリOK!」

「よし、じゃあ後で!」


 瓦礫の中を駆け抜け、2手に分かれて探す。

 ひとまず私は手当たり次第に建物の中を覗いた。


「すみませーん! 誰かいませんかー!?」


 建物に入ったら、まず大声で生存者の確認をする。

 救急隊員の人たちも、こんな風に生存者の確認をすると聞いたことがある。

 声がしなかったら、奥まで入って本当にいないか確認する。

 それをとにかく繰り返す。


「……見つからない……早く見つけなきゃ……」


 早くしないと……犠牲になる人が出ちゃう……。

 早く……早く……。


「ここにもいない……」

「ここも大丈夫だね、次に行こう、ルリルリ」

「うん……」


 繰り返す、中に入って大声を出して、いなければ建物に入って。

 だけど……どの建物にも……いなかった。

 もう何十回も……同じことを繰り返した。


「次……行かなきゃ……」


 早く……早く……。


「……ルリルリ、ちょっと休もう」


 移動中、リンが私の腕を引っ張り、制止の合図を出した。


「休んでる暇なんて無いよ、早く生存者を……」

「そんなこと言っても、ルリルリ疲れてるみたいだし、休もうよ」

「だから、そんなことしてる場合じゃ……」

「……ルリルリ!!」


 進もうとする私に向かって、リンは大声を張った。

 リンの怒鳴り声……私は驚いて固まってしまった。


「いい!? 助ける側である私たちがダウンしたら、誰も助けられなくなるの!!」

「……」

「一般人の命は確かに大事……助けたい気持ちもよくわかる! でも、だからこそ、まずは自分の体を大事にして! わかった!?」

「わ……わかった」


 ……ちょっと、焦りすぎたかな。

 リンの言う通り、ちょっと休もう。

 私は変身を解除し、その場に座った……リンも変身を解除し、私の隣に座る。


「ほら、ルリルリ見るからにバリ疲れてるじゃん」

「そう……みたい」


 確かに、過呼吸気味で、体がちょっと……怠いかな。


「ほら」

「……え?」


 リンが脚を延ばし、膝を叩いた。

 これ……まさか。


「いいよ、膝枕なんて」

「瓦礫にそのまま寝てたら怪我しちゃうよ」

「いや、リンは瓦礫の上に座って……」

「いいから!」


 リンは私の手を引っ張り、早く寝ろというかのように催促する。

 しょうがない、寝よう。

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