表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
現代にダンジョンが現れたので、異世界人とパーティ組んでみた  作者: 立風館幻夢
第5章 異世界人、ショッピングモール、ベストマッチ!
105/424

第96話 買い占め

「うわー! これ全部野菜!? バリすごい!」

「うん、この辺は野菜と果物を売っているの」


 スーパーに一歩入ると、まず出迎えるのは八百屋……野菜と果物のコーナーだ。

 ……にしても、品数少なくない? 以前来たときはもっとたくさん売ってたはずなんだけど……。


「なぁなぁ瑠璃はん! こっちの方、扉しかないで!」


 ラピスが向こうの通路を指さして、大声を張り上げる。

 お店の中だから静かに……と言おうとしたが、ラピスが指を差した先……そこに見えたのは。


「……え?」


 彼女が指を差した先は、冷凍食品コーナーだ。

 ラピスは「扉しかない」と言っていたが、まさにそうだった。

 冷凍食品コーナーにもかかわらず「冷凍食品が一つも置いていなかった」


「なぁ瑠璃はん、ここはこの扉を売っとるんか?」

「いや、違う……ここは冷凍食品コーナーだよ」

「れいとうしょくひん? ってなんや?」

「まぁ簡単に言えば……読んで字のごとく、食べ物を冷凍させたものだよ。そうすると食材が長持ちするの、それを解凍して、食べるわけ」

「なるほど……つまりは本来この中にはその、れいとうしょくひん? っていうのが売っとるわけやな?」

「そうだね……」


 私はあまりの光景に唖然としてしまった……私は思わず、他の売り場も確認してしまった。

 ……おかしいのは冷凍食品コーナーだけではなかった。

 紙製品のコーナー、ラーメンのコーナー、お米のコーナー、お惣菜のコーナー……全てもぬけの殻だった。

 ……一体どういう事だろう?


「ちょっとルリルリ! 待ってよ!」

「おいおい、案内してくれるんだろ?」


 リンとゴルドが私に向かって駆けてくる。

 ……異様な光景を見て、私は思わず皆を置いて行ってしまったようだ。

 ラピスとキセノンを探さなきゃ……。


「あぁ……全く、売れるのはいいけど、困っちゃうなぁ……」


 ふと後ろを振り向くと、店員さんが何やら張り紙を張っていた。

 ……紙には「本日すべて完売」と書かれていた。

 私は思わず店員さんに向かって足が動いた。


「あの、すみません」

「あぁ、お客さん、すみませんね。今日は見ての通り完売なんですよ」

「あ、いえ……いつから完売になったんですか?」

「今朝からだよ、人が馬鹿みたいにやってきてね……売れるのはまぁいいんだけどさ。こっちにも限度というものがあるよ……あっちゃこっちゃ大忙しで、外で人がごった返してるから開店時間早めるとか言うし……今でこそ落ち着いてるけどね」


 ……どうやら朝方にお客さんが大量に来たようだ。

 買い占めというやつだろう、災害や事件が起きると、物が消えてしまうという心理が働き、使え切れもしない品物をどんどん買う……。

 まさか、例の地震とか異世界の融合で……。

 私は店員さんにお礼を言い、みんなと一旦合流した。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ