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現代にダンジョンが現れたので、異世界人とパーティ組んでみた  作者: 立風館幻夢
第5章 異世界人、ショッピングモール、ベストマッチ!
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第91話 沸かない食欲と間接キス

「ごちそうさまー! 美味しかったよ! ハクハク!」

「美味しゅうございました、ごちそうさま」

「琥珀さん! 美味しかったです!」

「うん……ごちそう……さま」

「はいはいお粗末様、じゃあみんな、食器を台所へもっていってね」


 4人は食器を持って台所へと向かった。

 ど、どうしよう……なんか色々考えているせいか、食欲が全然沸かない……。


「瑠璃ちゃん、珍しいね……食欲無いの?」

「ごめん、叔母さん……」

「体調でも悪いのかい?」

「そ、そんなことはないよ」


 全く箸が動いていない私を見て、叔母さんは心配の声を掛ける。

 言えない……リンとキスしたことが原因でこんな状態になっているなんて……

 そんな中足音が台所からこちらに向かってくるのが分かった。


「ハクハク! 食器洗ったよー! って……ルリルリ、大丈夫?」


 足音の正体はリンだった。

 リンも私が心配になったのか、声を掛けてきた。


「う、うん、大丈夫……ご飯はちょっと、もういいかな」


 ……私が箸を置いてそう言うと、リンは驚愕の表情を浮かべた。


「えー! 勿体ない! じゃあ私が食べてあげる!」

「……え?」


 リンはそう言うと、私が使っていた箸を取り、残っていたものをすべて平らげてしまった。

 ちょ、ちょっと待ってよ……これって……。


「うん! 美味しかった! じゃあ食器、持って行ってあげるね!」

「ちょ、ちょっとリン……」


 リンは有無を言わさず、食器を持って行ってしまった。

 ……私は恥ずかしさのあまり、手で顔を覆ってしまった。

 顔に熱が溜まっていくのが分かり、心臓の鼓動も早くなっている。

 これって……間接キスじゃない!? い、いや……落ち着け、なんで意識しているんだ私は。


 意識するな……これはサンルートでは普通なんだ。

 サンルートでは食事の前にすべての生物やそれに関わったすべての人の感謝の言葉を述べる。

 故に食べ物を残すという事は、犠牲になった生物やそれに関わった人たちに失礼な行為だと、そういう考えなんだろう、多分! いや、きっとそうなんだ! そうに違いないんだ!

 で、でも、だからと言って他人が残したものを食べるかな? だって私たちはまだ会って数日であって、同居したのもまだ数日であって、そういう深い関係ではなくて……。

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