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今日は戦闘日和ですね

――主人公の僕は上の上くらい強いのに、友達が最強ばっかで僕の世界的存在価値が薄れてます。本当です。実際に、今も目の前でこんなことが起きてます――


「――我が名はシリウス・メイザース。炎獄の魔導師とも呼ばれている者だ。レグルス・スピンクス、貴様に決闘を申し込む。」


レグルスは僕の友達だ。隣に立つレグルスは、即座に、


「あー、いいですよ。」


と返した。あーあ、何で受けちゃうのかな…「メイザース」って、あれですよ。魔導師の中の魔導師って言われてる家系ですよ。


「では、ゆくぞ。――《魔導師の中の魔導師》、シリウス・メイザース」


「いつでもどうぞ。――レグルス・スピンクス」


2人とも名乗り慣れてるんだろうなぁ。噛まなかったもん。

今、戦いの火蓋が切って落とされた――。


「来たれ、アルネウス!72の悪魔を従える、真紅の一柱よ!」


シリウスが高らかに、そう叫ぶ。刹那、大気が歪む感覚に襲われ、同時に眩い光が場に溢れた。

光は徐々に収束していき、発生源であったシリウスの脇には、2m近くの炎――否、魔神が立っていた。それは、牡牛の角を生やし、上半身は人間、下半身は獅子の形をした、まるで太陽が直接煌々と放たれるような美しさだった。――美しすぎるものは、恐怖をも感じさせる。まさに、その通りだった。視線を合わせれば、それだけで押し潰されそうな――否、物理的に、直視するのはほぼ、不可能だろう。強すぎる光は失明を呼び起こす。にもかかわらず、レグルスは真っ直ぐに魔導師と魔神を見据えていた。


「…ソロモン魔術。大魔神四柱のうちの一柱かー。さすがは魔導師の中の魔導師だねー。――イアンのルーン。それは、氷を生み出すもの。それは、氷を操るもの。それは、氷を鋭利にするもの。」


レグルスが詠唱した瞬間、樹木ほどはあるであろう氷槍が発生し、魔神へと放たれた。氷と炎。対になる魔法は、炎の方が圧倒的に有利なはず、だった。しかし、氷槍は魔神へ深々と突き刺さり、魔神を瞬く間に葬った。


「ちぃっ、…レグルス・スピンクスよ。今、降伏するなら見逃してやってもいいぞ。」


「嫌です」


うわぁ…反抗的だなぁ…


「では、死ね。――●●●●●●●●●●」


破壊呪文…これはマジでヤバいのでは…


「…僕は、触媒がなければ魔法を使えないそこらの凡俗とは違うんだよ。」


おっ、氷柱めっちゃ出てきた!…すごいなぁ触媒はおろか、詠唱も無しに魔法使うなんて…あ、メイザースさん、死ぬんじゃないかなこれ。


「…私を侮るな、レグルス・スピンクス。我は乞う――業火の龍を出現させよ」



レグルス、ピンチだねーこのままだと、氷柱が焼き尽くされ…ない。あれ、なんで?


「――魔法はこの物体には通用しない。では、我々人には通じるのは何故か?それは、魔法を電気に例えるなら、我々はいわば金属だから。世の中の物質は大方金属と見ていい。それに反するのが僕が扱っている物質――半導体だ。僕自身も半導体だしね。つまり、君にはもう、どうすることも出来ないんだよ。諦めな、時の魔導師」


レグルスの例えが分かりやすいな。あ、メイザースさん、氷柱刺さったよ。四方八方から。死んだね。とりあえず、レグルスに拍手ー。


――これが僕の日常茶飯事だ。 

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