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#09 出生差別化

 第1世代の転生準備は着々と進んでいるけれど、第2世代目以降を繁殖させて行くにあたって新たな要素を組み込むことにした。


 第1世代は惑星上の各居住区画に人格容器レセプターを配置するだけでいいが、第2世代目以降はそういうわけにはいかない。


 通常の生物と同様に有性生殖で繁殖させることは問題なく出来るけれど、人格容器レセプターはナノマシンの集合体なのだからそれに縛られる必要はないのだと固定観念を取り払うことにする。


 複数の出生方法を用意して差別化することで新たな思想が一緒に生み出されるだろうし、結果として文化の形成にもひと役買ってくれるはず。


 最終的に出生方法は【胎生】【卵生】【果生】【化生】の4つ用意した。


 【胎生】は通常通りの有性生殖。


 【卵生】は交配装置コウノトリと呼ばれる古代文明の遺産を装った施設を用い同性や異種族(愛玩動物や魔法生物など)と子を設けることが可能で、特定の条件によっては死者とも交配出来る。


 死者と交配する場合は相手の身体の一部でも構わないが、生存している相手の身体の一部では子を設けることは出来ない。


 これは自分のモノに出来ない他者を殺害して相手との子を無理やり得ようとする者が出現を誘発するかも知れないが、それはそれで物語のはじまりとしてはありだろう。


 ただ有性生殖と違って専用の施設を使用しなければならないので容易には浅ましい目的は成し得ないと思われる。


 【果生】は人間の親を持たず世界樹の果実・世界樹果マリュスの中で長い時間をかけて大体15〜24歳くらいの肉体で出生する。


 【化生】は第1世代と同様に惑星上に人格容器レセプターを生成されるもので【星幽領域アストラルリージョン】から記憶と容姿を保持したままの転移者となる。


 基本的に魔法生物が絶滅しないように個体数を維持するために行われる魔体生成スポーン による出生方法。


 【胎生】【卵生】に関してはひとり辺りが得られる子供の数を1.5人に制限し、ひとり子が生まれる毎に寿命を10年消費することとした。


 また【卵生】で人間以外の種族または個人での交配装置コウノトリ使用や死者と子を成した場合には寿命を2人分の20年を負担することとした。


 下手に子供量産されて人格情報が未成熟なまま育児を放棄され、半端なまま死なれても扱いに困るので一定の年齢まではどうにか責任を持って育成出来る者をある程度選別しようとしての措置である。


 中にはそんなことなどお構いなしに振る舞う者も出て来るだろうけれど、住民の少ない初期段階では育児放棄によって村八分にされるリスクが高いこともあり、それなりに抑制されるだろう。


 子を成す際に消費される寿命に関しては人間の基本寿命を100年として設定し、様々な要素と併せて減少させることとした。


 寿命を隠しステータスとして特定の技能スキル持ちに視認出来るようにするのも面白いかもしれない。


 やろうと思えば住民全てを不老不死にすることも出来るけれど、いつまでも同一の人格情報が居座り続けて社会環境が淀まないように次世代へと循環させる目的もあった。


 過去の栄光に縋り付く者達は往々にして環境を腐敗させるからね。


 ただそういった者達も物語を生み出す要素ではあるので特定の条件によって寿命を延ばすことも可能とする。


 不老不死関連を実装するならやはりファンタジーで有名どころの竜にまつわるものにするのがRPG的な要素を満たせていいかも知れない。


 その辺りに関しては実験的に特定の居住区画に実装して様子見しながら運用方法を模索することにしよう。


 何にしても次世代を担う人格情報が育ってくれないことには新たな物語も生み出されないので、15歳までの子供には『成長』の才能タレントを与えて誕生日を迎えるとレベルが1上昇し、最終的に★2個を生きているだけで得られるようにした。


 その『成長』の才能タレントは満15歳を迎えた段階で別の才能タレントに変化させることにし、新たな才能タレントを開花させるに当たって前世で蓄積した宿業カルマ値の判定や【星幽領域アストラルリージョン】で得意としていたモノまたは執着していたモノを反映させる。


 加えて『成長』の才能タレント持ちは養育能力に欠けると判断して子を成せないよう条件を設定した。


 もし『成長』の才能タレント持ちに対して【胎生】【卵生】などの生殖行為を行った場合、寿命を70年消費させる措置を追加した。


 また『成長』の才能タレントを持ったまま(15歳未満)で死亡した場合は【星幽領域アストラルリージョン】に転生するのではなく、生前の記憶を消去後に世界樹果マリュスに人格情報を転送して単独で生きて行くことが出来る年齢まで知識や情報を世界樹から供給し、追加の才能タレントを与えて寿命を全う出来る程度の能力を持って転生させるよう手配した。


 その場合、世界樹果マリュス内部で育成されている間は『成長』の才能タレントは効果を発揮し続けることとなる。


 あと出生に関して考えるべき項目としては各居住区画毎に生まれる属性の比率くらいだろうか。


 居住区画によって求められる属性は違うだろうしね。


 おそらく居住区画で最も出生率の高い属性が主軸となって文化を形成していく可能性は高く、その後の発展の仕方も属性別で異なってくるはず。


 都合のいいことに用意した居住区画と属性は共に7つある。


 なので各居住区画の出生属性確率に極端な格差を設けた。


 それに伴って【卵生】【果生】は出生前に属性が卵や世界樹果マリュスの色で判別出来るようにした。


 各属性の色は以下の通り、


 『火』赤


 『風』白


 『水』青


 『土』黄


 『金』金


 『木』緑


 『無』黒


 といった具合である。


 これは生まれる前から運命を決定付けられる要素と成り得るかもしれないが、こういった要素は後々で強烈な感情の発露にも繋がる。


 それがネガティブなモノだとしても物語の切っ掛けとして充分に機能してくれるので私としては大歓迎だった。


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