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#07 捏造文明

 惑星環境は粗方の整ったので、ようやく人間の生存圏を設定する段階に入れる。


 他の生物と同様に単純に生身の人間を配置して石器時代からやらせるつもりはないので、文化的な生活が可能な居住地を予め設置する。


 居住地は七大陸それぞれから最も魔法生物が少ない土地を選ぶ。


 なるべく似た地形を避けた結果、高原・盆地・渓谷・河畔・海岸・湿地・地底の七ヶ所を選択した。


 本当なら大陸毎に数ヶ所居住地を設けたいが、現在【星幽領域アストラルリージョン】で人格情報を増やしている最中であり、こちらに転生させる人員を確保するのが難しいのでひとつの大陸にひとつの都市を構築するのがやっとといったところである。


 選定した土地に魔法生物が寄り付かないよう処置を施し、低確率でそれを無視する個体が出現するようにした。


 ただ安全な土地にへばり付いて安穏と暮らし続けられても面白みがないからね。


 なので宿業カルマ値の高い者が居れば、その確率も多少上昇するように調整した。


 処置を施した土地のナノマシンを操作して整地し、外周を簡易の防壁と門で取り囲む。


 防壁で取り囲んだ区画は約8㎞四方程度。


 区画内に私は気候に合わせた大体17世紀くらいの民衆の建物を建設した。


 住居はどれも同程度の規模にして差別化は避ける。


 それをするのはここに住まう人間なので、現状ではわかりやすい居住地の管理者用の建物などは設置しなかった。


 最低限の住環境を整えた私は区画内の防壁付近に農作地と牧場を用意する。


 牧場には魔法生物として調整していない生物を家畜を放牧する予定だ。


 一応、これで区画内だけでも生活は完結させられる。


 【星幽領域アストラルリージョン】同様にこちらでもそれなりには人口を増やしたいからね。


 開拓のために区画外に出る者がどの程度現れるかは予想出来ないが、全く現れないということはないはず。


 それならそういった人間が現れるようなものを配置するのもありかもしれない。


 高度な技術を持った古代文明の存在を示すような朽ちた建物などを区画の片隅にでもあれば、実際には存在しない古代文明のイメージを勝手に膨らませてくれそうではある。


 なので盆地・河畔・海岸の居住区画辺りに明らかに時代と文化圏の違う様式の建物を派手に破損させた状態で砂塵に埋もれさせたり、水深20〜30mに用意した。


 それらは外への好奇心を煽るためのもので、それらとは別に区画外により大規模な滅びて魔法生物の住処となってしまった都市などを創った。


 滅亡した未知の技術を持った文明の存在さえ示唆出来れば充分なので、科学文明的な物品は一切用意するつもりはない。


 捏造するのは朽ちた建物群だけ。


 そこからどういった考察がなされるのか気になるところ。


 ただそれだけだと似たり寄ったりな結果に結び付く可能性もある。


 高原の居住区画からは世界樹が間近に見えるので特に何か用意する必要はないだろう。


 他に差別化出来る要素はないかと考え、防壁を取り払うことにした。


 防壁を取り払うのなら地形そのものが天然の防壁となっている盆地・渓谷のみ。


 あとは渓谷・湿地・地底の居住区画中央に技術的に再現出来ない施設を設けた。


 こっちは信仰に繋がりそうな気がしなくもない。


 その場合、住民が区画外に興味を持つかは微妙なところである。


 その辺りは様子を見ながら施設を廃棄せざるを得ない状況に持ち込ませることも視野に入れておく。


 人間を配置した後は、なるべく介入したくないので実行するかは怪しい。


 私自身が物語の一部に組み込まれるのは本意ではないからね。


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