吸血鬼について
紅石ナイフによって遺伝子を改造され、不老不死と圧倒的な再生力を手に入れたが太陽光が弱点となった人間。もともとは人間というわけだが、後天的に遺伝子組み換えがなされていると考えるといい。魔物の町の吸血鬼にとって血は必須アミノ酸みたいなもので、定期的に摂取しないと体が弱る。食事は人間と同じでも問題はないが、生肉や生魚を好むようになる。特に血が抜かれていないものなど。
吸血鬼が血を与えた人間は死ぬ。
倫理観などがそれなりに発展してきた世界を舞台としているため、もちろん吸血によって人を殺すことは犯罪。吸血鬼であろうとも訴えられる。だが、血液の売買も行われており、通常は吸血鬼は輸血パックや鳥獣の血などで血液を摂取している。なお、一部の吸血鬼は死刑囚の血液を吸飲している。
弱点
・太陽光
殺せる。
厳密には太陽光ではなく特定の波長の光。緑色の光は弱点ではないので吸血鬼はこれらを照明として使っていることが多い。
・紫外線
デバフ。
紫外線を受けると再生力が大幅に低下する。別に紫外線が直接の原因となって吸血鬼が死ぬことはない。
・光の魔法
殺せる。
波長や強さを自在に変えられるため、場合によっては太陽光以上の脅威となる。吸血鬼討伐を主な仕事とする魔物ハンターはこの光の魔法を習得することが前提となる。光の魔法は魔力を飛ばすことができるのが理想だが、銀の武器と併用されることが多い。そのため、銀が吸血鬼の弱点だと勘違いされることがあるが、銀は吸血鬼の弱点ではない。光の魔法を通しやすいだけ。
・心臓に杭
殺せる。
最も古くから知られている吸血鬼の弱点。吸血鬼の再生力は血流と代謝によるものなので、心臓をやられてしまえば死ぬ。
・斬首
デバフ。条件次第では殺せる。
仮死状態に追い込むために有効だと言われている。処置をせずに放置すればゆっくりと死んでゆく。また、斬首して日光に曝せば簡単に細胞も死ぬ。錬金術を用いて処置をすれば復活する。
・ニンニクのエキス
デバフ。
経口摂取で毒を盛ることはできないが、注射すれば吸血鬼の筋力等を大幅に低下させることができる。錬金術師が吸血鬼を使った実験を行っているのもこのニンニクエキスのおかげ。また、高濃度のものに漬け込めば仮死状態のまま吸血鬼を標本として保存することができる。
吸血鬼が吸血鬼の血を吸ったら
麻薬のような快感を覚え、肉体がこれまで以上に強化される。また、それと同時に理性も少しずつ失われる。分かりやすいのは倫理面での変化。個体によっては見た目にも変化が出ることがある。
支配者の血について
吸血鬼に別の吸血鬼の血を与えた時の反応。2人分の吸血鬼の血が喧嘩することで発生する精神を病む現象。最終的には勝った血が脳を支配する。血の強さはこれまでに吸飲した吸血鬼の血の量で決まる。
改造吸血鬼
吸血鬼に魔族の血を混入させたり、さらなる遺伝子の改造を施したものがこれに当たる。日光が効かなかったり、心臓や脳が複数あるなどさらに人外の存在となっている。
獣の吸血鬼
獣に紅石ナイフを使用することで生み出される魔物。数は不明。獰猛性が増し、種類によっては町一つ滅ぼせる程度のものも。鳥類に限り、吸血鬼の特徴を次の世代に引き継ぐ。吸血フクロウが最も厄介な存在であり、北部や山間の村が発展しないのは吸血フクロウのせい。ちなみに、吸血フクロウのせいで900年間外界(異世界を除く)と隔絶されることになった村が存在する。
獣の吸血鬼は生態系を狂わせるほどの影響力を持つ。
吸血鬼の起源
とある錬金術師の研究室が起源。錬金術師は魔族の持つ不老不死に憧れ、その血と遺伝子を複製しようとした。だが、研究の結果生まれたのは人間と魔族の中間の特長を持つ者だった。
吸血鬼は不老不死の実験の失敗によって生まれた劣化コピーのようなもの。紅石ナイフも魔族の遺伝子や不老不死の薬の失敗作。
吸血鬼の世代
吸血鬼同士で子を作るとより強い吸血鬼が生まれる。そのような吸血鬼を純血、または第n世代吸血鬼(n≧1)と呼ぶ。世代が進んだ吸血鬼ほど強力で、第5世代より世代の進んだ吸血鬼は人間ではほとんど太刀打ちできない。とはいえ、そのような吸血鬼は魔境である大陸北東部の端にしかいない。