世界に鍵がかかってる!
俺は普通の人間だった、
宇宙人でも未来人でも、異世界でも超能力者でもない、妖怪も見えないし聖剣も持ってない。
一般的な高校生だ、1時間ほど前までの話だが。
今日も普通に学校に行くため、電車に乗り込む。そこまではいつも通り。
駅から出発して10分ほど経ったとき、突然天井を突き破り、黒ずくめの大男が侵入してきた。
「鍵はどこにある」と男は低い声で乗客に問うた。
悲鳴と泣き声と知らないと言う声が、車内にこだまする。
そこへ、何を考えたのか隣の車両から小柄な少女が入ってきた。
少女は男の前に立ち、叫んだ。
「あなた達に鍵は渡さない!」
男はいきなり凄まじい早さで拳を振るうが、少女は瞬間移動のような早さで躱し、
ガラ空きになった男の腹に右足を埋め、左足で男の顔を顎の下から蹴り上げる。
「マジかよ……」
小柄な少女が大男を、数秒で沈めてしまったのだ。
そして、それと同時にあの男の言葉が引っかかった。
「鍵がなんたらって言ってたよな、いったいなんなんだ?」
独り言のつもりだったが、急に少女が駆け寄ってきた、
「君、大丈夫?何かされなかった?」
「あぁ、大丈夫だよ、て、えっ?」
「えっ?じゃないよ、あの男の狙いは、君だよ」
「ちょっとまて、俺は何もしてない!大男に付け狙われることは断じてしてない!」
「あぁ~、残念ね、さっきあの男言ってたことおぼえてる?鍵って」
「家の鍵かしか持ってません、ホント勘弁してください!」
「私は何もしないわよ!君は世界を変える鍵なの、守りに来たんだよ、君を」
「守りに来たってことは、まだあるの!?あんなのまだあるの!?」
「もちろん、でも大丈夫!私に任せなさい!」
こんな突飛なやり取りをしている中、少しの違和感を感じた。なぜ自分は大男に襲われ、少女に守る宣言をされても少ししか驚いていないのか、どうして鍵という言葉を聞き慣れているのか。
何か忘れている気がする、思い出そうとすると、なぜか酷く頭が痛んだ。




