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1.自由になろう

「勇者様方!この世界をお救い下さい!」


(うっさい黙れ)


 俺が消えて次に来ていた先ではクラスの奴らが全員揃っていた。…が、どうでもいい。呼んだ相手の姫さんがグラマラスで超美人だけどまぁいい。

 …クラスにも一人可愛い子がいるけどそれより遥かに綺麗だがどうでもいい。この世界で何やっても結局崩壊するんだから、ひっそり生きて自然死する。これが俺のこの世界における目標だ。


 話を聞いているとありきたりな説明だ。魔王率いる魔族がこの城にカミングスーン。守って!って話。

 で、ステータスがあるらしい。一般的な大人の平均値が10のそれはステータスって言えば見れるから見ろとさ。


「ステータス。」


 俺は虐められナウだから少しハブの状態でその動作を行った。


 Name…鈴木神人(変更可)


 Spe…基種人間


 Age…17


 Job…魔闘戦士・亜種 Lv.1


 LP…27+50000


 MP…8+50000


 Str…13+50000


 Vit…12+50000


 Agi…7+50000


 Int…9+50000


 Min…8+50000


 Luc…50


 Dex…4+50000


 Skill…【観測せし者シュレディンガー】・【杖術中級】・【翻訳初級】


 Notes…装備:神武撲殺(神殺しの)杖(全戦闘ステータスにボーナス値+50000)←この武器は呪われています。鈴木神人専用 ※造物主優先


 Titeles…【魔神大帝の庇護者】、【異世界から召喚されし者】【バランスブレーカー】


 P.S…あ、お前が神って言ってた俺からのメッセージだけど、お前にだけ神武撲殺つっかえ杖の効果見えるようにしてるけど他人にはお前が見えろって思わない限り見えないように色々隠蔽してやったから。まぁ力使うとバレるかもね。後、俺が渡したメニューはちゃんと熟せ。じゃないと杖が怒ってお前を殺す。

 ついでにこの世界の神が渡してたチートは破壊しておいた。じゃないと探索されるからな。

 それじゃ、俺基本忙しいからここまでで。後は適当に頑張れ。




 …何て言うか…色々もの凄いことになっていた。ひっそり生きるのが目的なのに…


 因みに【観測せし者シュレディンガー】はMPが3万以上の時に全MPの8割を使用して1時間の神の叡智を得るというスキルらしい。ただ、訊かれたことにしか反応しないという事。使いどころが少し難しい気がする…


 俺はこんな状態チートになった理由を推測してみた。多分、ギリギリ死なない程度の弱い武器を渡したつもりだがあまりにも神様が強すぎて弱い武器が強かったとかそんな感じか。←正解。


 …それならここまでやってくれるなら神様にもっと助けてもらいたかったなぁ…と欲が出たが、逆にここまでやってもらったのだから頑張ろうとも思えた。


(よし、こいつら俺を虐めてたし別にどうなってもらってもいいや。さっさとここから目立たないように逃げないとな…)


 俺は脱出手段を考える。下手に動けば目立つ。それだけは勘弁だ。場の雰囲気はいつの間にか魔王許せない…的な感じで、勇者に大体が乗り気だ。

 俺にはそんなことどうでもいい。周りのことより自分のことだ。表面上仲良くやってても何かあれば人は簡単に人の事を切り捨てる。

 この前の自業自得な(VRMMOの)一件で知ったことだ。


「さて、逃げるか…その為にっと【観測せし者シュレディンガー】。」


 神様の力を早速借りてみた。…怖い。これ何…?


 逃げる手段


 ①皆殺し(小規模世界改造呪文)※MPが足りません

 ②皆殺し(小規模人間駆逐魔術) 消費MP10000

 ③皆殺し(雷魔術) 消費MP400

  ・

  ・

  ・

 ⑳隠密(スキル取得の必要があります 消費MP5000・尚、肉体改造に伴う激痛あり)


 皆殺しが多い…いや、選択肢は後の方までかなりたくさんあったけど…初期の割合に皆殺しが多い!


 …密かにムカつく奴らから逃げる方法って入れたからかな…?普通に城から逃げる方法で…


 うん。殺し系がなくなった。でも、まぁ隠密のスキル欲しいから…これにしてみよっかな…


 “Sure.”


 その直後、体を引き裂かれるような痛みを感じる。俺はそれを押し殺して歯を喰いしばって耐えた。幸い我慢できないほどではなく、俺はそれを黙ってやり過ごしスキル【隠密上級】を手に入れた。


 因みにスキルに関してだが、【初級】、【中級】、【上級】があって、その後が【超級】、【神級】だ。


 【上級】からは才能がないと無理なものらしいのだが…まぁ神様の叡智だからいいんだろ。うん。

 さて、この後どうなるか【観測せし者シュレディンガー】でシミュレーションしてみたんだが…速攻で逃げた場合、高確率でこの世界に来て虐め歯止めがなくなることを恐れて逃げたって解釈してくれるみたい。

 それに実際、魔法を覚えたら試し撃ちしてくるみたいだったし…剣技でも攻撃するつもりだったようだ。それを王家の方も黙認予定らしい。本気で屑いな。誘拐しておきながら…


 それはともかく周りからしてみれば俺は怖くなって逃げたとか、ある人に至っては使えなくて殺されたと思うらしい。実際、俺はステータスを開示して引かれた。一般市民じゃんって。


 勿論その時は補正もスキルも装備も表示されてなかったし、称号も【異世界から召喚されし者】以外はなかった。


 …ま、要するに逃げても特に問題はないってことみたい。


「じゃあさっさと行こう。」


 俺はこの屑しかいない城から逃げ出した。



















「…怖かったなぁ…」


 体はほぼ勝手に動いてくれるのだが、心はそう簡単にいかない。いきなり軽業師みたいなことをしようとか考えたら恐怖で動けなくなった。

 そこはまぁまた【観測せし者シュレディンガー】に頼ったけど…おかげで魔力が切れかけ…ヤバい。まだ【観測せし者シュレディンガー】発動中だけどあと30分も切ってる。早いところ今夜の寝床を確保しなければ…


「こういう時は冒険者にならないとな!」


 言っておくが俺はそう言うジャンルの本は大好きだ。だから、ひっそり生きるにしても楽しく生きたい。…それに上手く立ち回れば次の人生の予行練習にもなるし。


「フッフッフ…」


 俺は不気味に笑いながらギルドを【観測せし者シュレディンガー】で探す。…【探査魔術】の習得…人に訊いた方が早いって出た。


「すみません。ギルドってどこにあります?」


 俺は近くにいた露天商のおっさんに声をかけてみた。するとおっさんは俺をじろじろ見て返事をしてくれた。


「…坊主変わった服着てるなぁ…旅の者か?」

「え…あ、はい。結構遠くから来たんで…」


 結構どころではないが、こういう物語ではテンプレの騙りだ。…ってかそうか。服が変なのか。どうしよっかな…って答えが来た。後でやろっと。


「さてさて、ギルドギルドっと。」


 俺はとにかく身分証を作るためにも、ギルドを目指した。


 本来変えられないはずのステータスの表示部分を改変するためのやり方を【観測せし者シュレディンガー】で覚えて、能力改竄を行う。

 表示ステータスは大体若干腕に覚えのある素人レベルの15前後にしておいた。

 そして名前は神人かみとはどちらの漢字でも同じ読みなのでMMOでもよくプレイヤーズネームとして使っていた「ジン」を採用してギルドに入った。



 ここでの話も長いので要約すると、


 AAAが最高、Gが最低ランク。依頼を熟していけばランクは上がる。

 DからCに上がるのが難関らしい。…まぁ、俺はそれならDランクに居続けようと思った。実際、そのランクで一生を終えて引退する人も多いらしいし。


 ドラゴン狩りとか俺TUEEE!いきなりランク外!?とかはまた来世でやるから今世ではやめておこう。じっくりやって、ひっそり死ぬのだ。

 この世界の食料と文化レベル的におそらく60台まで生きればいい方だと思う。…平均寿命はおそらくこの文明だと男は53歳らしい。【観測せし者シュレディンガー】が教えてくれた。


 で、序でに俺が考えていたこともひっくり返された。並の寿命まで生きた後不摂生で死ぬのは自殺と変わらないので魂の状態が悪くなるらしい。


 もっと言うと、生きられるのに諦めてしまった場合は自殺と変わらないとのことで、病気だと本気で治療法が確立されていないものじゃないと自然死判定ではないそうだ。勿論そんな病気があっても自分から罹りに行ったら自殺判定。


 …まぁ、元々の生き方で行けばいいってことだから別にいいけど。


「はいジンさん。これであなたはGランク登録完了です。」


 初級では字の翻訳が出来なかったので【観測せし者シュレディンガー】で【翻訳中級】に上げて、文字を解読してから登録は完了になった。


 特に契約内容に不備もなかったし、想像していた感じの冒険者って感じの規約ばかりだったので俺はさっそく初仕事に行ってみることにした。


「それでは…【小鬼リトルオーガ】の討伐がございます。受注されますか?」


 俺は詳細が書かれた依頼書を見ながらリトルオーガが何なのか調べる。


 …1メートルくらいの褐色の小鬼か。へ~…村の若者ぐらいでも殺ろうと思えば殺れるって弱さで…ふんふん…過疎化が進み気味の村からの依頼か…


「受けます。」

「わかりました。それでは行ってらっしゃいませ。」


 それじゃ出発。っと、その前に服を変えなきゃな…


 俺は【観測せし者シュレディンガー】が命じるままに移動して行った。Mindが高いからなのか、初の殺しでもそこまで罪悪感に苛まれることはなく、【観測せし者(シュレディンガー)】に従う事で依頼は単純に終わった。




 その後、生活費的に不安があったので【観測せし者シュレディンガー】の解決法を見て服を売る事にする。


「いやはや…全く以て神様様だ…」


 結構高値で俺の服は売れた。…まぁ、足がつかないように切り開いて布にしたから買い直しても二度と着れなくなったが、最悪の場合でも一月は軽く引き籠れるだけの金は手に入れたのだ。


 

 

 一応、要らないと思いますが、ステータスについてです。


 Name…名前です


 Spe…Speciesの略で種族です。


 Age…年齢です。


 Job…職業です。Lv…レベルです。


 LP…Life Pointの略で生命力です。これがなくなると死にます。


 MP…Masic Pointの略で保有魔力です。これが減ると倦怠感が増します。


 Str…Strengthの略で強さです。攻撃力等の筋力関係に関わります。


 Vit…Vitalityの略で生命力です。防御力等の死への抵抗力に関わります。


 Agi…Agilityの略で機動性です。素早さ等の足の速さに関わります。


 Int…Intelligenceの略で知性です。魔法の威力に関わります。


 Min…Mindの略で精神力です。魔法の制御に関わります。


 Luc…Luckの略で幸運です。そのままです。


 Dex…Dexterityの略で器用さです。そのままです。


 Notes…備考です。


 Titeles…称号です。


 P.S…Postscriptの略で追伸です。

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