第四章「迷い」
第四章『迷い』
ファイを出て、ラスカに向かう途中。
三人は野宿をすることになり、タケルは火の番をしていた。
パチパチと燃える音だけが聞こえる。
タケルは考え込んでいた。
―――――「ラスカ」。
旅というのは早いもので、もう着いてしまった。この国で最後になる。
世界を救うか・・・。
世界が滅ぼすか・・・。
この自分にかかっているのかと思うと、ここから逃げ出したくなる。
ラスカに行けばすべてが分かる。
・・・けれど
すべて知ってどうする?
それで満足なのか?
レスの言うとおり、ラスカにいけばすべてがわかるのか?
レスの言うとおりにしてもいいのか?
謎は深まるばかりである。
「私は・・・タケルがいいと思えばそれに従うわ。」
「!?」
寝ているはずのアイがいつの間にか隣に座っていた。それだけ考え込んでいたのだろう。
「私は魔法使いよ?タケルが何を考えてるか分かるわ。タケルは考えすぎなのよ!あなたは世界を変える人間なのよ?それに、私と師匠は予知は絶対当たってるから!ラスカに行くことを悩む必要はないわ」
アイが火に指を差す。すると火力が増し、大きくなった。
「・・・ありがとう」
「!?べ、べつにお礼を言うほどのものでもないわよ!」
アイの顔が赤くなる。
アイは火の番変わるからといって、タケルを強引に寝かせた。
明日、ラスカに着く。
三人ですごす、最後の夜となるだろう・・・。