「紫」「夏至」「NS極」「白黒」「白い影」
「紫」
紫陽花を待つ君は 美しきかな
雨も 幸福貯金を計る貯金箱に入れて歩く 私もかな
笑うと 気配が揺らぐ 君は大丈夫 皆がいる
泣くと 気配が怒る 私もその一人かな
だから このまま 雨を見ていよう
だから このまま この雰囲気の中で 皆の気配を感じる縁側で
「夏至」
夏至が過ぎる 夏になるまで あと少し
もし会えるなら 夏が似合いそうだな
先頭をゆく君を 皆が追いかけるけど
私はどうしようかな
後ろから見ると 目の前に入道雲が見える
君に重なり 夏の気配だ
「NS極」
真冬の結晶のように 繊細な佇まい
どこへ行っても 気を引くよ
だからかな とてもNN極
遠くからでは 声が届かない
だから 時々 君がS極
だから 急に やって来る
丸いS極にはじかれて 再び 遠くなる
でも 君は再び やって来る
もつれるように 安心だ
「白黒」
白黒 混ざりあって グレーになる
君は曖昧な 言葉選び
誰かに仕える君は 失言などしない
ある意味 完璧のような佇まい
見ている私は 黒い服
「白い影」
白黒 混ざったとしても どちらも戻れない
どちらも 限りなく グレー
黒に染まるのではない 巨悪になる
諦めていた私
黒い態度の白い君
諦めない君は 白い影




