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ハエと美少女姉妹(異星人の使いと異世界の冒険)  作者: 千葉の古猫
第1章 地球編その1 コウタがハエと美少女姉妹に翻弄される日々
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第53話 しのぶに同行

 超高度文明による技術の一端が明かされます。エターナル特製○○

第53話 しのぶに同行


「その協力はしのぶの意思なのよね。危険なことなの?」


 沙織はしのぶを信頼し過ぎているようだ。

 何故反対してくれないのか。

 しのぶがまだ中2だということを忘れないでくれ、沙織。


「危険はあるが万全の体制を敷いて安全を確保する」


 こともなげに言うが、絶対は無い筈だ。

 俺は激しく詰った。

「何をさせる気だ。フライ。

 地球人の14歳はまだ子どもだということを忘れてないか」


 フライは一瞬だけ複眼を七色に輝かせた。


「日本基準の成人については承知しているが、状況判断力を基準にするなら、コータもしのぶもすでに大人だ。

 しのぶを見くびらないで欲しい。

 コウタ、あまり年齡に捉われるな」


 フライの言葉は、俺の考え方のコアな所を貫いたが…

「それでも、しのぶに危険な真似はさせてほしくないんだよ」


「コータの意見は一応聞いておく。

 沙織は姉としてどう思うのだ」


「私は、自分自身よりもしのぶを信頼しているわ。

 しのぶの意思だというなら、私はできるだけしのぶをサポートするだけよ」


 ほらな、やっぱり賛成だよ、、、

 とは言え、沙織の考え方を否定するどころか、俺は内面で共感してさえいる。


「しのぶにはパーチンの考えを読み取ってもらう。

 最後の影武者の隠し場所をな」


 やはり、最近になってしのぶが隠していた能力を解放し始めたことと、フライたちには何か関係があったらしいな。


「フライ、しのぶがテレパスであることを前提にしてるのか」


「しのぶがテレパスであることは間違いない。

 元々、その可能性を見出したので我々はしのぶにアプローチしたのだ。

 思慮深いしのぶは、最近になってようやくエターナルを平和国家と認めてくれたようだ。

 しばらく封印していたテレパシーを、地球とエターナルの、平和の架け橋のために使いたいと、しのぶは考えている」


「今回は、テレパシーを使って影武者救出の手伝いをしたいというのが、しのぶの意思ということで間違いないね」


 俺は諦めて、現実的に見ることにした。


「その通り。

 ターゲットの思考を読み取るには、ある程度接近する必要がある」


 ターゲットに接近だと!


「しのぶを、ラシアへ行かせるということなのか。

 それはいくら何でも危険すぎるだろ」


 パーチンの側まで行かせると聞いて、俺の思考はやや逆戻りする。


「そのための準備は十分にする」


 冷静沈着なフライ。不安な俺。


「具体的には」


「しのぶには小型バリアを張った状態でパーチンに会わせる。

 万が一に備えて、しのぶには強力な防御性能を持つ特製スーツを着用させる。

 テレパシーで相手から秘密を取り出すには、会話によって秘密に関する話題に導かなければならないが、この対策によって直接攻撃も捕縛行動も防げる筈だ」


 小型バリアに特製スーツだと! それより前にしのぶをパーチンに会わせるだと! まるでスパイ映画みたいじゃないか。

 いや冷静になれ。まずは安全確認だ。


「その特製スーツには、刃物や銃弾に対する防護機能が備わっているのか」


「特製スーツと簡単に言ったが、正確にはエターナル特製光学迷彩ファイティングスーツだ。

 不可視、防刃、防弾、ショック吸収緩和、耐熱、耐冷、耐圧、防塵、防毒、空調などに加え、通信機能を備え、翻訳機能もある。

 加えて未知の言語に対する解析学習機能も併せ持つ。

 今回のミッションに必要は無いと思うが、4次元ポケットが標準装備だ。

 ポケットの中には、半年分のレーション、簡易テント、簡易ベッドなど、キャンプ機能一式と、軽火器が幾つか備えられている」


 立板に水のように、すらすらすいすいと、フライが説明した。


「しのぶを守るためのガード役はいるのか」


 高性能スーツのことは分かったが、大事なのは臨機応変に行動できる守備体制だ。


「光学迷彩機能を備える強力な戦闘アンドロイドを2機、しのぶの護衛に付ける。

 予期せぬ危険を察知した場合は、空間転移装置でこちらにすぐ戻す手筈だ」


「しのぶを守るために、僕も付いていくと言ったら」


 自分にしのぶを守る力が無いことは重々承知しているが、大事な人を安全圏から遠く見守るのは違うと内なるものが叫んでいる。


「その言葉は予期していた。

 コウタが同行するなら、同じ光学迷彩戦闘服を用意しよう。

 サイズオートアジャスト機能で人型生物なら誰にでもフィットするから、コウタにもぴったり合うだろう。

 加えて運動補助機能により普段より力も速度もアップする」


 フライがそう答えると、クモミンからも説明が付け加えられた。


「コウタ用には、光学迷彩を使わない時は幾つかデザインを選べるような機能を付けといたよ。

 その他に、アタシが考案した特殊武器も付けておいたけど、今回それを使う機会は無いかもね」


 得意げな感じでそう言われると何故か安心できる。


「じゃあクモミン、それを用意してくれ。僕はしのぶに同行する」


「じゃあ、私も」と、沙織。


 個人の意見ですが、状況判断力とコミュニケーション力が大人の基準になると思ってます。


 光学迷彩戦闘アンドロイドについては、かなり先の話で再登場する予定です。

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