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第6話

『今日武器を忘れちゃったから助かったよ~』

スーツの男は笑いながら話す。


「その剣、折れてるけど大丈夫なんですか!?」

柳田が心配して聞くが、男はニヤニヤしながら、

『大丈夫!大丈夫!!こんなに良い武器なんだ。切れないものはないよ。』

2人は心配そうな顔をしながらも、目の前の男に頼む以外できることはなかった。

そんなことを話していると、カマキリのような生き物が間近まで来ていた。生き物が片方の刃をスーツの男へ振り下ろす、先程の柳田と同じ、刃を剣で受けようとする。


「そいつの刃は剣じゃ受けきれないんだ!!」

その様子を見ていた柳田が叫ぶ。生き物の刃と刃折れの剣が接触した瞬間、、


バリンッ

という音という音がなった。

生き物の刃が粉々に割れていたのだ。

スーツの男は鼻で笑うと、折れた剣を生き物の体に向かって振る。すると、柳田が切った時には傷1つつかなかった生き物の体は深く傷つき、血が吹き出た。男は何度も剣を振り、生き物の硬い体には無数の傷がついた。

『折れてる剣ではこんなもんか。』

カマキリのような生き物は大きな声をあげながら後ろに倒れた。


「「たお…し…た??」」

二人は現実とは信じられない目の前の光景に唖然としていた。

すると、スーツの男は二人の方へ振り向き、

『武器ってのは使い方なんだ。使い方次第でどんなものよりも力を発揮できる。まぁ、俺より上手いやつはいるけどな。』

ニヤニヤしながらそんなことを言うスーツの男。次の瞬間、紅輝が叫んだ。

「まだ倒せてない!!」

スーツの男の後ろでは倒れた筈の生き物が残っている片方の刃を男へ振り下ろしていた。スーツの男は振り返って自分に刃が向かってきていることを見た瞬間に生き物の腕は完全に男を捉え、切っていた。


男は切られた。そう2人は考えていた…しかし、その瞬間に二人の目の前に"何か"が降ってきた。

それは、カマキリのような生き物の刃が付いた手が手首から切断されたものが降って落ちてきたのだった。


(今、剣を振っていたか?)

目の前で起こった信じられない光景を見ていた紅輝が疑問に思う。

(あの人は、あのカマキリみたいな化物が後ろから攻撃していて振り向いただけだった。腕を動かしたように見えなかったけど、もしも俺の目で追えないほど早く剣を振っていたのだとしたら…)

頭の中で先程の出来事を考えていると、、


『迷子には気を付けろよ。これを割れば帰れるからな』

スーツの男はそう言って紅輝たちが元々いた世界に帰るためのゲートスフィアを渡してきた。

『それじゃ、俺はやることがあるから。じゃあな~』

男は背を向けたまま手を振り、いつの間にか壁に現れていた扉を開けて入った。

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