第1話
ひし形のとても大きな島。
周りには島1つ無く、青い海が広がっている。
そんな島の西の部分でも西側にある地域に建っている高等学校。
この学校に通っている赤髪の少年。
名を「赤壱紅輝」という。
今日も普通....
ただ普通に登校して普通に授業を受けて普通に下校する。
普通じゃないことと言えば、、
「赤壱!今日こそお前が髪を染めている不良ということを証明してやる!!」
休み時間に廊下を歩いていると急に叫んでくる黒髪のキリッとした男。
「柳田先輩。これは地毛だって何度も言ってますよね?」
彼の名前は「柳田宏介」この学校の2年生で風紀委員。俺の先輩だ。
なぜか入学当初から俺の立派な髪色を染めているとか言って付きまとってくる。
いつもは柳田先輩から逃げ、目を盗んで下校する。足の速さには自信がある。
今日もいつも通り柳田先輩の目を盗んで家に帰るつもりだったのだけど.....
「全く知らない場所まで来てしまった、、」
今日は先輩が執拗に追ってきたせいで全然知らない山の中まで来てしまっていた。空はオレンジ色になっていて、いつもなら家にいる時間だ。
さすがにここまで先輩は追って来ないだろうと思い山を出ようと歩き始めた時、、
「ん?なんだあれ?」
ふと、地面の上で光る球を見つけた。
近づいて手に持ってよく観察してみると、直径15cmぐらいの透明なガラスの球体の中に白い光の塊が綺麗に光って輝いている水晶玉のような物。
「綺麗だ。誰かの玩具かな?それとも何かの宝石かな?とりあえず交番に届けるか。」
そう言って歩き出した紅輝。
「おい!赤壱!やっと見つけたぞ…」
「嘘だろ先輩…どこまで来る気だよ…」
もう一度走り出そうとした紅輝の後ろに飛びかかった柳田。紅輝はバランスを崩し、転んでしまった。倒れた瞬間に体の下でガラスが割れたような音がした。
「あっ」と思い、体を上げてみるとさっきまで手に持っていた玉が割れていた。
だが、不思議なことに玉の中で光っていた光の塊はまだ光っていた。
その光の塊に触れようとした瞬間に玉の破片は光に吸い込まれていった。
どうなってるんだ?そう考えた瞬間に紅輝と柳田は光の塊の中へ一瞬にして吸い込まれて消えた。