表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/2

序章

「おい玲子.......」。たった今、俺は愛人の玲子にめった刺しにされている。『愛して愛して愛しているは育浩』。

 俺は消えゆく意識の中でこれまでの人生について思い返していた。俺には博文という双子の兄弟がいる。そして僕らはともに切磋琢磨しプロ野球選手という女性からモテまくる職業に就いたのである。

そして、そこからがこの双子の分岐点であり、崩壊の始まりなのだった。

 俺は、神奈川ロッテオーシャンズというチームにドラフト1位で投手として入団した。俺は入団1年目こそ13勝5敗、防御率2.76とまずまずの成績を残したが、2年目以降は、目立った成績は残せずにいた。

 私生活では、入団3年目で結婚をしたが、下降する成績とともに、素行も悪化し、妻に見放され、ただ一人愛してくれる玲子とのセックスに明け暮れた。そして今、俺の愛人は狂ってしまった。

一方の、博文は広島南洋ソースにドラフト3位で内野手として入団した。当時の広島は、『胃から汗をかく』といわれるほど厳しい練習で、博文は努力を積み重ねた。そして、年々成績を上げ、

今年は首位打者とゴールデングラブ賞を獲得した。

私生活では、愛妻家として知られ、テレビにもよく出演していた。

 俺の人生はどこからおかしくなってしまっていたのだろうか。たぶん、年々成績を上げる博文に嫉妬し、自分を見失っていたのだろう。まあ、今更後悔しても意味はないか。俺は考えるのをやめた。

 こうして、プロ野球選手清山育浩の人生は、家族に看取られるのではなく、愛人にめった刺しにされるという不名誉な形で幕を閉じたのである。享年28









 



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ