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バッドエンド
あんな事になるとは思わなかった。
計画は失敗した。
僕は、何のために生まれてきたのだろう。
都合のいい存在としていきてきただけじゃないか。
ただ、ひたすらにみじめな気持ちだった。
僕に追いついてきたあの女盗賊。
その目が忘れられない。
本心をぶちまけてやった時の、憐みの目が。
憐れむな。
僕をそんな目で見るな。
いまさらそんな感情を抱くくらいなら、なんでもっと早く気が付いてくれなかったんだ。
もう、全てが遅すぎる。
英雄になる計画は失敗したのだ。
その失敗をやり直す機会も、上書きする機会も、存在しない。