その、雪の降る夜に…
この物語は、百合/GL、15禁要素を含みます。
―――君を見つけたのは、…そぅ、こんな雪の降る夜だった。
「冷た…」
独りの空しさに耐え兼ねて、ほんの少し、そぅ…ただの気まぐれで、私は外に出た。
だけど…
(ぁー間違いだったかも。苦笑)
外に出てから5分。
スゥエードにジャケット、マフラーに手袋、プラスしてカイロ完備で防寒対策はバッチリだったはずなのだが…
―ヒュー
…ブルッ〃
どぅやら、夏生まれの私の体は、冬がニガテらしぃ…
吐く息は未だ白く、鼻なんて冷たくて、鼻先が真っ赤になって自己主張している。
今晩は、やけに冷え込んでぃるみたいだ。
少し後悔しながら、またあてもなく歩く…
(もし、隣に誰かいたら、違ったかもしれなぃ…
この寒さの感じ方だって。)
「ハァー〃暖っかぃ」
溜息混じりに吹きかけた息は、とても暖かくて、両の手に染み渡っていく。
(でもま、外に出ちゃったし、なんか今更元来た道を戻るのもアレだしなぁー)
(こうなりゃ、意地だわ)
半分、やけくそになりながらも、私は特に何をする訳でもなく、手近なベンチに腰掛けた。
――ここは、近くの小さな公園、よく小さい頃遊んだ覚えがある。
現在は、遊ぶ年頃ではなぃし、学校の帰り道に横を通る位だ。
今は、真夜中。
流石に見渡しても誰もいなぃらしく、近くの道路を走る、車の音以外は、静かなものだ。
それに、今日は特別な日。
誰か、いるわけがなぃ。
―――私は生まれてこのかた、この特別な日を、大切な人の隣で過ごした事がなぃ。
ぇーと、誤解がなぃように言っておくが、恋愛の経験はある…一応。
多くもなく、少なくもなく。
悪いのは、私。
幸せだと、思っていた。
―今考えてみるとそぅ思い込んでいただけかもしれなぃけれど…
その熱に浮された状態。
―それが徐々に削がれていって、ある時醒めるのだ。
先月も、恋人と別れたばかり。
彼はもちろん良い人で…
けれど、違うんだ。
いくら唇を、体を重ね合わせても、埋まらない、満たされない。
心の底で、気付いてしまぅ…
彼では、なぃんだ、と。
私が捜して、求めている人は―
(別に、いいじゃん。どってことなぃ。
合わなかったんだから、仕方がないでしょ…
一人でも、ほら、結構楽しめてるし?)
(そぅだょ、“私は一人で大丈夫だから”)
毎度の、言い訳。
心の底に出来た、今まで満たされることのなかった穴を見なぃフリをして隠すんだ。
だって見てしまったら、私は生きてはいけないから。
どぅすれば、この穴を満たすことが出来るのだろぅ?
いつか、満たせるのかな…
―サクッ
「むー寒すぎ」
もぅ寒さも、限界だ。
(本当、何やってんだか…
アホらしーし、そろそろ帰るかな。)
―サクッ
(―ぁれ…?
頬に冷たい感触…)
「ぁっ…」
(ハハ、こりゃ、ホワイトクリスマスだな…
本当、自分が情けなくて笑えてくる。苦笑)
(でも、“私は、一人で大丈…)
「くっ」
(ぁれ?
馬鹿だなー私、なんで泣くんだょ…)
心が、締め付けられる。
(―痛い、なぁ…)
―サクッ
「―っ!?」
人の気配に驚いて、顔を上げると、目が合った。
きっと自分は今、物凄くひどい顔をしているに違いない。凄く、恥ずかしい。
でも、恥ずかしぃはずなのに、顔を背けることが出来なかった。いゃ、不覚にも見とれてしまったんだ。
なにしろ、そんな恥ずかしさを、今の今まで感じていた寒さを、忘れさせる位だったから。
雪の中―月の光で照らし出された、いくつかのシルエット。
その中に、君は居た。
一際輝いて、目が離せない程…とても綺麗だった。
長い髪を揺らめかせ、心配そぅにこちらを見つめていた“彼女”の姿は、まさに雪の中で佇む妖精の様で。
――錯覚、かもしれなぃ。
――気のせい、かもしれなぃ。
自分でも、可笑しいと思った。
でもね、
私はその時、心の穴がとても温かいもので、満ちていく気がしたんだ。
To Be Continued...