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ワールドレコード〜勇者と魔王〜  作者: 大沢たくや
16/44

最速


勝ち残った者達の戦いが観れるという事で昨日に引き続き、今日も闘技場は大賑わいである。

また、今日で全ての試合が終わる予定であり、誰が一番強いのかが決まる。



「さぁ!!!ついに今日!!!誰が一番強いのかが決まります!!!次の勇者に相応しいのは一体誰だろうか!!!早速ですが、今日最初の試合を始めましょう!!!まずは最速のルーキーである二人のお出ましだ!!!」


赤髪ツインテールのリリと青髪ポニーテールのルルが入場してくる。

二人を応援する声が聴こえてくる。

英雄に勝ったリリとルルの名は名実共に人間の国々にさらに広がっていた。

二人を応援する声も昨日より大きい。


「そして!!!対するはギルド連合国サエティの英雄ジンだ!!!」


それでもジンを応援する声のが大きかった。

人気と実力を兼ね備えた英雄の登場に大歓声が闘技場を包み込む。

両者は闘技場の中央付近で立ち止まった。


「君達と戦えるのを楽しみにしていたよ」

「わたしも」


ジンが一歩前に出るとリリも一歩前に出る。

それを見ていた審判が口を開く。


「準備ができたようなので、始めたいと思います」


合図と共に音が鳴り響くと、ジンが指示を出す。


「ユリア。強化魔法を頼む」

「はいはい……レイズ」


帝国の異世界転生者のように甘く見てはいけない

相手は戦闘経験も知識もある程度持っていると考えるべきだ


愛用の剣を鞘から抜かずにいつもと同じ構えをする。

そして、体勢を低くする。


ユリアの魔法の効果が身体に伝わってくるのを感じる


「先手必勝」


一瞬で勝負を決める!


抜刀 一矢先攻 一閃


技を放った瞬間、これまでの経験からジンは確信した。


この勝負勝った


相手と距離を一瞬で詰め、刃は相手の首元ギリギリで止まった。

まさに目にも留まらぬ速さであった。

自分が切りかかった相手が驚きの声を上げる。


「うわああ!はっやすぎだよ!」

「……お見事」


後ろにいた子は拍手をしている。


闘技場内は何が起こったのか理解できず、静まり返るが、勝負が決したのがわかると歓喜の声が上がる。

そして、試合終了の合図も鳴り響く。


「またしても一瞬で勝負が決まったようだあああ!!!これが英雄ジン!!!速すぎる!!!」


しかし、勝負に勝ったはずなのにジンは素直に喜べなかった。


おかしい……何かがおかしい……

自分は勝ったはずだ

技も決まった

なのに……

なんだ?この違和感は……


「どうかした?」


目の前の赤髪の女の子に声をかけられ、ジンは我にかえる。


「じゃあ、つぎのたたかいもがんばってね!」


手を振りながら、相手は闘技場を出て行く。


その場で動かないジンにユリアが声をかけてくれる。


「ジン?どうかした?」

「いや、何でもない」

「そう?」


自分はこの異世界でも一番速いはずだ

そんなわけがない


闘技場内の通路を歩きながら、リリが喋り出す。


「いやーまけちゃったね!」

「……演技はちゃんとやって。勘付かれた」

「え!?ほんと!?かんぺきだったとおもったんだけどなあ」


むむむっと悩んだ声を出しながら、腕を組む。


「それにしてもおもってたより、はやくなかったなあーすこしはきたいしてたのにざーねん!」

「……だから我々と比べたら、駄目」

「そーだけどさあ」


リリは落胆の声を漏らす。


「……まぁ妥協点。まだ使える」

「で、つぎはどうするの?」

「……私達は後ろの方で静観。今の所、戦闘に参加するつもりはーー」


ルルは途中で言うのをやめる。


「ん?あれ?」

「……いや、予定変更。私達は魔族のところに」


誰かが通路を駆ける音が聴こえてくる。

ギルド連合国サエティの王ラルが慌てた様子で現れた。


「いた!いた!緊急事態なんだ!二人とも力を貸して欲しい!」




心也と陽は試合の為に通路を移動していた。


「なんだろう?」

「様子が変だね、何かあったのかな?」


心也達は闘技場内が慌ただしい雰囲気を感じ取る。


ジンさんが一瞬で勝敗を決めたから、前の試合は何事も無かったはず……


そんな二人の元に聖天王国の王を護衛していた兵士が現れる。

そして、心也と陽はその兵士によって、闘技場内にある部屋に連れて来られた。

そこには聖天王国の王と険しい表情の騎士団長に幾人かの兵士がいた。

沈黙を破ったのは聖天王国の王だった。


「闘技大会は中止だ」

「「えっ」」


予期せない言葉に二人は驚く。


「一体、何があったのですか……」


聖天王国の王レイビスタは目を瞑りながら深刻そうに言う。


「緊急事態だ。魔族が攻めてきた」


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