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初投稿です。
小説を書くことも初めての為、まだまだ拙く読みにくいところも多いとは思いますが、ご容赦ください。
ご意見やご感想を頂けると幸いです。
参考にさせて頂きます。
6月も下旬、梅雨の合間を縫って太陽が顔を出し始めた頃、早朝のその場には似合わない朗らかな足取りで真っ青なレインコートを身にまとった少女がやってきた。
少女は白い紫陽花に目を留めて立ち止まると、優しくその花に触れながら何かを呟く。すると紫陽花はまるで染物をしたかの様に綺麗な色合いを見せた。
少女は満足そうにその花を眺めると、再び軽い足取りで街を歩いていく。
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「翔流さん、朝食が出来ましたよ。」
「ありがとうございます。すぐに向かいます。」
もうそんな時間か。今日は朝早くから目覚めてしまったから朝の花が生けられると思ったのだが、どうやらもうタイムオーバーらしい。
立ち上がった翔流がふと庭に目を留めると、青々と茂った緑の中目を惹く白い紫陽花が視界に映った。
今日はあの紫陽花を生けてみてもいいかもしれない。
無意識のうちに頬を緩ませると翔流は急いで食卓へ向かった。
「今日は随分と早かった様ですが、あまり眠れませんでしたか?」
そういう祖母は翔流より早くから起きていたのだろう。いつも通り、着物の正装姿だ。
「お気遣い有難う御座います。ですが昨晩はよく眠れましたよ。鳥のさえずりが聞こえてきたのでつい目覚めてしまいました。」
「そう、それならいいのだけれど。」
翔流は生まれ故郷である東京から遠く離れた緑の多い地で華道家である祖母と2人で花を生けて暮らしている。
祖母も厳しくはあるがなに不自由なく育ててくれた上、元から翔流がおとなしい性格の為、遊びたい盛りであろう翔流が田舎の中で暮らしていても問題はなにもなかった。
翔流は静かな朝食を終え、さっきの紫陽花を生けようと庭に戻った。
静かな空間の中、聞こえるのは鋏で紫陽花を丁寧に、確実に、切る音のみだ。和の趣のある家の縁側に腰掛け静かに紫陽花を見つめる和装の少年は、風景までもが見惚れるような美しさを持っていた。
数十分後、静かに顔を上げると翔流は満足そうに頬を緩めた。
朝食中に構想を練っていたこともあって、白い紫陽花は彼自身も自信作と言えるような素晴らしい作品に仕上がった。最も、翔流は国内のコンクールなど出るまでもなく結果は分かるほどの実力を祖母から引き継いでいる為この作品の出来は言うまでもないのだが。
作品を作り終え、集中していたことで喉の渇きを覚えた翔流は水を汲みに行った。
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そして誰もいなくなった庭から、1人の少女が顔を出した。
少女はこの田舎の地には似合わない白い髪に、透明感のある水色の目をしていて、雨など降ってもいないのに、澄み切った青空のような色のレインコートを身につけていた。
しかしそれらの目を惹く要素など目に入らぬほど際立ったものは、その美貌だった。まだあどけなさは残るものも、少女は十分すぎる程に人間離れした美しさを持っていた。
少女は吸い込まれるように翔流の生けた花に近づくと、鈴が鳴ったかのような優しい声で、
「あなたの色を教えて」
と花に語りかけた。
すると紫陽花はまるで少女に応えるように美しい藍色に染まり出す。
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翔流が喉を潤して庭に再び戻ると、彼が生けた紫陽花はちょうど藍色に色をかけているところだった。
この世のものとは思えない美しい出来事に、いつもは冷静な翔流も思わず声を上げた。
「これは、、?」
その声が耳に届いたのか、レインコートの少女は、はっとしたように翔流の方を見ると、慌てたようにして庭から走り去っていった。
後に残された翔流は、ただ呆然と色の変わった紫陽花を見ることしかできなかった。




